こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎です。
梅雨が明けて夏本番になると、決まって腰痛が悪化する。そういう方が毎年いらっしゃいます。
- 週末にしっかりマッサージを受けているのに、月曜には腰が重い
- 冷房の効いた部屋と、外に出たときの暑さ。その差でぐったりしてしまう
- 「マッサージに行っているのに、どうして良くならないんだろう」と、ずっと不思議に思っている
こういったお悩み、あなたにも心当たりはありませんか?
今日は、今月の中旬にご来院された50代の女性の方(中学校の先生をされています)の実際の経過を通して、「良かれと思って続けているマッサージが、かえって腰を悪くしていることがある」というお話をさせてください。
先にお伝えしておきます。私はマッサージやセルフケアを否定したいわけではありません。大切なのは、それぞれの「守備範囲」と、受ける側の「そのときの体の状態」です。ここを一緒に整理していきましょう。

週末60分のマッサージを90分に増やしても、月曜には立つのも辛い
その先生は、お仕事柄ストレスを抱えやすく、週の中頃になると腰痛がひどくなってくるとのことでした。だから週末には必ず、近所のマッサージチェーン店で60分の全身マッサージを受けていらっしゃいました。
ところが今月に入ってから、腰痛が特に悪化。「もっとほぐしてもらえば楽になるはず」と、コースを90分に変えて、腰へのマッサージ時間を増やしてもらったそうです。
それでも腰痛は悪化するばかり。せっかくマッサージを受けたのに、月曜日の夕方には立っているのも辛いほど腰が重だるくなる。腰まわりに鉛を巻きつけているような感覚で、座ったら、次に立ち上がるのに難儀する。
授業中には、生徒さんの机の横にしゃがんで目線を合わせる体勢を取ることがあるそうですが、その一連の動作が辛い。何よりも、「マッサージに行っているのに、どうして良くならないの」という思いが、ずっと頭から離れなかったといいます。
ご本人は、「冷房の冷えと外気温の差にやられて、自律神経が乱れているのがよくないんだろう」と考えていらっしゃいました。実際、睡眠の状態も悪く、夜中に目が覚めることもあり、体がスッキリしない。そのうえ、定期的にぎっくり腰を起こす方だったので、「このままだと、またぎっくり腰になるんじゃないか」という不安がふくらんでいました。
なぜ、マッサージで良くならなかったのか
結論から言うと、良かれと思って受けていたマッサージの刺激が、疲れきった腰や背中、お尻の筋肉にとっては「過剰な刺激」になっていたのです。
少しだけ、私の考えを整理させてください。
マッサージというのは、本来「治療効果」を求めるものではなく、あくまで慰安(気持ちよさ・リラックス)のためのものだと私は考えています。「マッサージしてもらった」という気持ちの満足や、その瞬間のスッキリ感には、確かに良い作用があります。
ただ、それが体調そのものの良化として働くのは、心も体も満ち足りている状態のときが、せいぜいなのです。日頃からハードワークやストレスの中で体を酷使している方、あるいは運動や筋力づくりといった習慣を特に持っていない方にとっては、マッサージを受けること自体が、実は大きな負担になることがあります。
料理でお肉を叩いて、繊維を潰してやわらかくする——あの光景を思い浮かべてみてください。強く揉む・叩くという刺激は、あれと大きくは変わりません。だからこそ、筋肉を、場合によっては関節まで傷めてしまっているケースが、実際に少なくないのです。
今までは平気だったのに、どうして急に効かなくなったの?
この先生も、同じ疑問を抱いていました。これは、いつも使っている化粧品で、あるときお肌が荒れてしまった——そんな経験をお持ちの方がいらっしゃるのと、よく似ています。
マッサージも同じで、受けるタイミングによっては——たとえば過剰に疲れていたり、大きなストレスを受けていたり——その刺激を、体が受け止めきれないときがあるのです。
「治療」と「慰安」は、まったく違うもの
もう一つ、お伝えしたいことがあります。
本来の治療とは、原因を的確に突き止めることができれば、本当にごく小さな刺激でも、体はちゃんと反応して、良くなっていくものです。
実はこの先生も、マッサージの強い刺激に慣れきっていたので、当院の治療に対して最初は「物足りない。これで本当に良くなるの?」と、半信半疑でした。
こう考えてみてください。病院の食事や、精進料理を思い出してみると、「味が薄い」「量も物足りない」と感じませんか。でも、そういうことなのです。
体が回復するためには、エネルギーが必要です。そして、刺激を「受け取る」ためにも、体はエネルギーを使います。もともと弱っていたり傷んでいたりして、エネルギーが不足しているときに、受け取るほうでエネルギーを使い果たしてしまったら——強い施術には、とても耐えられません。
治療は、治療。繊細に、丁寧に、体を労わってあげる。そうすると、体はちゃんと応えてくれるものだと、私は考えています。
※当院はマッサージ行為および「〇〇剥がし」や「〇〇矯正」といったジャンルの施術を一切行いません。

マッサージを2日休んで治療 ―「こんなに腰が軽いのはいつぶりだろう」
この先生には、思い切って一度マッサージ屋さんに行くのをお休みしていただき、2日続けて当院で治療を行いました。
すると、2回の治療の翌日。
腰が軽くなってる。久しぶりの感覚。こんなに腰が軽いのは、いつぶりだろう。
そう、とても喜んでくださいました。
さらに3日あけて、3回目の治療をした週には、
立ちっぱなしも堪えないし、しゃがむ動作も怖くない。
というお声をいただきました。
※これはこの方の場合の経過です。腰痛の原因や回復の早さには個人差があり、同じ回数で同じように変化するとは限りません。
治療では、特に股関節と腕(肩関節)の動きに制限がかかっていたので、全身を調整しながら、股関節と腕の動きを取り戻すことを軸にしました。ご自宅では、次のことをお願いしています。
- 寝る前に、深呼吸を3分間行ってから休む
- 日中は、腕と下半身をしっかり動かす(ゆっくり大きく伸びをする/その場で軽くもも上げ=足踏み)
いまは、ぎっくり腰への不安を解消していくための治療計画へと移っているところです。
腰痛の原因は、腰にないことのほうが多い
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
腰痛でお困りのとき、原因が腰そのものにあるとは限りません。むしろ、腰以外の場所からの影響であることのほうが多いのです。今回の先生の場合は、股関節と腕の影響が強く出ていました。
ただし、この「他の部位からの影響」の出方は、人によって本当にさまざまです。一般的には「腰痛は原因がいろいろ」と言われますが、どこがその人の腰に響いているのかは、一人ひとりしっかり見極めたうえで治療する必要があります。
よくあるご質問(Q&A)
Q. じゃあ、マッサージは一生受けたらダメなの?
一生ダメ、ということではありません。ただ今は、感覚が少し鈍くなっている状態です(強い刺激に慣れてしまっている可能性が高いのです)。自分に合った刺激の強さの加減がつかめるまでは、控えたほうがよいと思います。ちなみに、軽擦法(けいさつほう)といって、皮膚をやさしくさするような刺激のほうが、治癒の面ではむしろ効果が高いと言われています。
Q. マッサージガンもダメ?
上のお話と近いのですが、あまりおすすめできません。特に、直接腰に当てて振動を打ち込むような使い方は、控えていただきたいところです。
Q. どのくらいの期間で治るの?
これは個人差があります。腰痛の程度や、慢性的になっているかどうかで、期間も変わってきます。まずは2ヶ月間、計画的に治療していくことをおすすめしています。
Q. またぎっくり腰になったら、どうすればいい?
ぎっくり腰は、今回のようなケースとは、まったく別の原因や背景が絡んでいることが多いです。ですので分けて考え、ぎっくり腰になったときの適切な処置や、予防対策をご提案することができます。当院のYouTube動画でも、ぎっくり腰の対策・なってしまってからの過ごし方・早期回復への導きをご紹介していますので、よければ参考にしてください。
- https://www.youtube.com/watch?v=FtE9M09cCDQ
- https://www.youtube.com/watch?v=EfX-WbAgCmg
- https://www.youtube.com/watch?v=QM3lDGNCuBs
まとめ ― まずは「刺激を足す」のを、いったんやめてみる
もし今、この先生と同じような経緯で腰痛にお困りなら、まずは思い切って、過度な刺激をいったんお休みしてみてください。マッサージだけでなく、セルフマッサージ・ストレッチ・マッサージガンなども、一度手を止めてみるということです。
繰り返しますが、私はマッサージやセルフケアそのものを否定しているわけではありません。それぞれに本来の役割があり、大切なのは「そのとき、あなたの体がその刺激を受け止められる状態かどうか」なのです。
「刺激を足しても足しても、かえってしんどくなる」——そういうときは、原因が腰ではない別の場所に隠れているのかもしれません。必要性を感じられたときは、ぜひ一度、当院にご相談ください。
繊細に、丁寧に体を診ていく。そうやって体を労わってあげることを、私は何より大切にしています。あなたの腰の重だるさが、少しでも軽くなるお手伝いができれば嬉しいです。
いしだ鍼灸整骨院(愛媛県西条市)
- ご予約:お電話 0898-64-2633/Web予約
- 診療時間:火・水・金 9:00〜20:00/木 9:00〜14:00/土 9:00〜17:00(定休:月・日・祝)
治療費やその他Q&A、患者さんの声などをご覧になりたい場合は、当院のホームページよりどうぞ。


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