「肩が痛くて、腕が思うように上がらない…」
「どこまで動くのか、つい腕を回して試してしまう…」
「痛いところを自分でケアしているのに、なかなか良くならない…」
そのようなお悩みはありませんか?
肩が痛いと、気になって何度も触ってしまったり、少しでも楽になればと、ご自身でいろいろなケアを試されたりする方は多いと思います。良くなりたいという気持ちがあるからこそ、ですよね。
ですが、その「良かれと思って」の行動が、実は肩の痛みを長引かせていることがあります。
今日は、肩の痛みを長引かせやすい日常のNG習慣と、その代わりにおすすめしたい動作、そして、ある患者さんのお話をご紹介します。
肩の痛みは「何をしないか」も大切
こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
肩が痛くて腕が上がらなくなると、ふだん何気なくしていた動作が、急に大変になります。
- 体を洗う
- 洗濯物を干す、取り込む
- 棚の上の物を取る
- お孫さんを抱っこする
こういった場面で、「前はできていたのに」と心細く感じている方もいらっしゃると思います。
肩の痛みを早く良くしたいと思うと、「何をすればいいのか」に目が向きがちです。ですが、私がお伝えしたいのは、「何をしないほうがいいか」も、同じくらい大切だということです。
肩をかばっているつもりでも、毎日の習慣の中に、思わぬ落とし穴が隠れていることがあります。そして、「無理をしない・意地にならない」ことが、回復への第一歩になることもあります。
ここからは、肩の痛みが長引いている方に、特に気をつけていただきたい3つのNG習慣と、その代わりの動作をご紹介します。
NG①シートベルトの付け方
まず一つ目は、車のシートベルトです。

痛い側の肩を上げて、ひねっていませんか?
運転席でも助手席でも、シートベルトを付けるときは、肩の後ろ側にあるベルトに手を伸ばして、体の前へ引き出します。
このとき、痛い側の肩を上げながら、体をひねってベルトを取りに行く動きになっていないでしょうか。
特に右肩を痛めている場合にはシートベルトの装着動作、そして、左肩を痛めているかたであれば、左手を使って助手席や後部座席の荷物を取り上げるシチュエーションです。
肩を上げる動きと、ひねる動き。この二つが重なると、痛む肩に負担がかかりやすく、「ズキッ」ときやすくなります。毎日車に乗る方なら、乗るたび、降りるたびに、肩へ負担をかけていることになります。
代わりの動作:体ごと向きを変える、元気な側の手で引く
おすすめしたいのは、次の二つです。
- 体ごと向きを変えて、肩だけをひねらないようにベルトを取る
- 元気な側の手でベルトを引く
- 荷物を持ち上げる際にも痛む側の手を使わない
ほんの少しの工夫ですが、毎日のことだからこそ、積み重なると肩への負担は大きく変わってくると思います。
NG②着替えの順番
二つ目は、服の着替えです。

着るときも脱ぐときも、いつもの順番のままになっていませんか?
肩が痛いときの着替えは、本当に大変だと思います。袖に腕を通すとき、服を脱ぐとき、肩に痛みが走る。それでも、つい今まで通りの順番で着替えてしまう方が多いのではないでしょうか。
着替えは、順番を変えるだけで、肩への負担をぐっと減らすことができます。
代わりの動作:着るときは痛い側から、脱ぐときは元気な側から
覚えていただきたいのは、この順番です。
- 着るときは、痛い側の腕から袖を通す
- 脱ぐときは、元気な側から袖を抜き、最後に元気な側の手で、痛い側の袖を外す
「着るのは痛い方から、脱ぐのは元気な方から」と覚えておくと、毎日の着替えで迷わずにすむと思います。
痛い側の腕をできるだけ動かさずにすむ順番なので、着替えのたびに肩をかばって無理な姿勢をとることも減っていきます。
NG③痛いところを触る、どこまで動くか試す
三つ目が、今日いちばんお伝えしたいことです。

つい「確かめて」いませんか?
- 痛いところを、指で押して確かめる
- 腕をぐるっと回して、「どこまで上がるかな」と試す
- 痛くなる動きを知りたくて、わざとやってみる
こういったことを、知らず知らずのうちにしていないでしょうか。
痛みがあると、「まだ痛いかな」「昨日より上がるようになったかな」と気になるのは、とても自然なことです。お気持ちはよく分かります。
ですが、痛みを何度も再現するほど、肩は治りづらくなります。せっかく落ち着こうとしている場所に、わざわざ刺激を加えてしまうことになるからです。ほら、瘡蓋(かさぶた)ができてはめくり、できてはめくりしてしまう手ぐせといっそだったりします。
代わりの動作:気になっても、そっとしておく
おすすめしたいのは、気になっても、そっとしておくことです。
触らない、試さない、痛い動きを繰り返さない。何もしないのは不安に感じるかもしれませんが、これが回復への近道だと私は考えています。
ほかにも、次のようなことは避けていただきたいところです。
- 痛い側の手で、重い荷物を持つ
- 痛い側の肩に、バッグをかける
- 痛い側を下にして寝る
「触って確かめる」「良かれと思ってケアする」。どちらも、肩を良くしたいという気持ちから出てくる行動です。次にご紹介するのは、まさにその「良かれと思って」が関係していた方のお話です。
40代・看護師の女性のお話
看護師をされている、40代の女性のお話です。
肩の痛みと、腕のだるさでお困りでした。
※ご本人様に了承を得て書かせていただきました。

結婚式の引き出物でもらったマッサージガン
この方は、痛む部分や、だるくなる腕の筋肉に、マッサージガンを当てていたそうです。
そのマッサージガンは、結婚式の引き出物の景品でもらったもの。ちょうど肩が痛かった時期だったので、「ナイスタイミング」と思って使い始めたとのことでした。
当てた直後は、一時的に軽くなったように感じる。ですが、日が経つにつれて症状は重くなっていき、それに合わせて、マッサージガンの使用もエスカレートしていったそうです。
通院3週間目にわかったこと
当院に通い始めてから、しばらくの間、症状の改善に向けた大きな変化は現れていませんでした。
そして通院3週間目。マッサージガンを使っていたことがわかりました。
そこで、その時点からマッサージガンの使用を休んでいただきました。
使うのを休んで1週間ほどで
すると、使用を休んでから1週間ほどして、急に腕の重さや肩の痛みが軽くなってきたのです。
そのとき、このように話してくださいました。
「まさか良かれと思っていたマッサージガンの刺激が逆効果になっていたとは思わなかった。思い切って伝えてみてよかった」
こういったご意見を頂いております。
※効果の感じ方には個人差があります。同じ経過をお約束するものではありません。
「痛いところに刺激を入れれば楽になる」は絶対ではない
誤解のないようにお伝えしておくと、マッサージガンという道具そのものや、使っている方を否定したいわけではありません。
ただ、この方の場合は、痛む場所への強い刺激が、逆効果になっていたのだと私は考えています。
痛いところに刺激を入れると、その場では楽になったように感じることがあります。この方も、まさにそうでした。ですが、その「一時的に軽くなった感じ」があるからこそ、また使いたくなり、だんだんと使用がエスカレートしていく。そして、気がつけば日増しに症状が重くなっていた。
「痛いところに刺激を入れれば、楽になる」。そう思われている方も多いと思いますが、それって本当にどうなのでしょうか?
NG③でお話しした「痛いところを触る」「痛い動きを試す」と同じように、痛む場所に何度も刺激を加えることが、肩にとって落ち着く時間を奪ってしまっている。そういう可能性もあるのではないかと思います。
実際に、マッサージガンだけでなく、マッサージ系の過剰な刺激は筋肉の細胞を壊してしまう恐れがあると報告されています。イメージするならば、食用のお肉を叩いてクタクタにする工程と一緒なんですよね。そのように考えると、ちょっと怖くないですか?
気力充実、元気で筋肉隆々の人ならへっちゃらかもしれませんが、知らないうちにどこかにぶつけたのか「あれ、なんでこんなとこに青あざが…?」なんて人からすると、良かれと思っていた刺激すら、負担になってしまうケースがあることを知っていただきたかったんです。
「痛いところに刺激を入れれば楽になる」は時と場合によりますし、むしろマイナス効果になることの方が多いことを認識していただきたいと私は考えています。
そして、この方のお話でもうひとつ大切なのが、「思い切って伝えてみてよかった」という言葉です。
ご自宅でどんなケアをしているか、どんな道具を使っているか。治療に関係ないと思って、伝えずにいる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、そのひと言が、良くなるきっかけになることがあります。気になることは、どんな小さなことでも遠慮なく教えていただけたらと思います。
肩の痛みが長引いている方へ
今日ご紹介した3つのNG習慣を、もう一度まとめておきます。
- NG①シートベルト:痛い側の肩を上げてひねらない。体ごと向きを変えるか、元気な側の手で引く
- NG②着替え:着るときは痛い側から、脱ぐときは元気な側から
- NG③触りすぎ:痛いところを触らない、どこまで動くか試さない。気になっても、そっとしておく
これらは、いわば「それ以上こじらせない」ための守りの工夫です。肩の痛みを長引かせないためには、痛みの原因が今どこにあるのかを、きちんと調べることが大切です。
背中に手が回らない、エプロンの紐やファスナーに手が届かないといった五十肩のお悩みについては、こちらの記事で詳しくお話ししています。
▼ 背中に手が回らない五十肩…リハビリに通っているのに良くならないのはなぜ?
https://ishida-saijo.com/?p=7097
また、今日の3つの注意点は、動画でもご紹介しています。実際の動きを見ながら確認したい方は、ぜひご覧ください。
▼【右肩の痛み・五十肩】いつまでも治らない理由とは?整骨院が警告する3つのNG習慣とその代案方法
https://www.youtube.com/watch?v=QVFc1AAoUak
「自分でいろいろ試しているのに良くならない」「このまま長引いたらどうしよう」と感じている方は、一人で抱え込まずに、一度当院へご相談ください。ご自宅でのケアのことも含めて、お話を伺いながら原因を探していきます。
洗濯物を干す、棚の物を取る、お孫さんを抱っこする。そういった毎日の動作を、肩の痛みを気にせずできるように。お悩みを解決できるよう、お手伝いいたします。
※強い痛みがある、急に腕が動かせなくなった、しびれを伴うといった場合は、無理をせず医療機関にもご相談ください。
ご相談は、お電話・Web予約・LINEからお受けしています。




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