こんにちは。愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を開業しています、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
しっかり走り込める脚があるのに、なぜか腰だけが悲鳴を上げる。そういうランナーの方が、この時期になると増えてきます。
- 毎年、梅雨明けの頃になると決まって腰やお尻が痛くなる
- 寝て起きても、なんとなく痛みが残っている
- 走っている最中はむしろ楽になるから、つい走り続けてしまう
こういったお悩み、あなたにも心当たりはありませんか?
今日は、先月末からご来院された30代の女性ランナーの方(スポーツ店にお勤めで、1児のお母さんでもあります)の実際の経過を通して、「走り方より、”回復のさせ方”にこそカギがある」というお話をさせてください。
先にお伝えしておきます。この記事は、チームでの練習や、走った後の仲間との一杯を否定するものではまったくありません。むしろ、その楽しみを長く続けていくために、体をどう回復させるか——そこを一緒に考えたいのです。

右腰の痛みが、お尻・太ももの外側へ広がっていった
その方は、週に3〜4日、10kmほどのランニングをこなし、フルマラソンや地域のリレーマラソンにも出場されている、しっかり走り込むランナーさんです。ふだんは、腰やお尻の張りが強くなると近所の整骨院でマッサージやストレッチを受ける程度で、定期的な治療を受けているわけではありませんでした。
梅雨明けが迫る頃から、右側の腰痛が悪化。しっかり寝て朝起きても、なんとなく痛みが残ったままだったそうです。それでも特別な対処はせず、いつも通りの日常生活と仕事、そしてランニングを続けていました。すると、右のお尻や太ももの外側にまで痛みが広がってきたのです。走っているときは少しずつ軽くなるので、だましだまし続けていました。
そんな状態が2週間ほど続いたある日、これまでにない激しい腰の痛みに襲われます。仕事への支障を考えて鎮痛薬を飲むものの、効果が切れてくると、重苦しい痛みがふつふつと強くなってくる。そこで、同僚の方の紹介で当院へお越しになりました。
そういえば、毎年この時期になると腰痛が出るんです。でも、こんなに激しいのは初めてで。
そうお話しされていました。
痛みも激しかったので、治療を3日間続けたところ、3日目には鎮痛剤の必要もなくなり、日常生活は軽い痛みを感じながらも支障なく過ごせるようになりました。
ところが、です。定期的に参加されているランニングチームの練習の翌日に、痛みが再発してしまいました。初診のときほどではないものの、鎮痛剤を服用されたとのこと。その日のうちに急いで治療を行い、このときは1回の治療でほぼ軽快しました。
※これはこの方の場合の経過です。腰痛の程度や背景、回復の早さには個人差があり、同じ回数で同じように変化するとは限りません。

なぜ、走れる脚があるのに腰が痛むのか ― 夏の体で起きていること
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
一般的に、夏場は暑さとともに体の消耗が激しくなり、筋肉や関節のダメージ回復が遅れやすいと言われています。理由はこう考えると分かりやすいです。体は、生命を維持するために、回復に使うエネルギーをまず脳や内臓へ優先的に回します。そのぶん、筋肉や関節の回復は、どうしても後回しになりがちなのです。
そこへ、次のような負担が重なってきます。
- 猛暑そのものによる消耗
- 汗をかくことによる脱水傾向の負担
- 振動性胃腸障害——走るときの上下動が、内臓に与え続ける独特のストレス(ランナーがお腹の不調を起こしやすいのは、これが一因と言われています)
走ること自体が、実は内臓にとってなかなかの仕事なのですね。その状態のうえに、さらに負担が重なると、やがて体が悲鳴を上げてしまう——今回の方も、まさにそういう積み重ねが背景にありました。
この方の腰痛の「引き金」は、どこにあったか
実はこの方、お酒がお好きで、ランニング後の冷たい一杯が何よりの楽しみ。そして、ランニングチームの練習後には、打ち上げを開くことも多かったそうです。
繰り返しますが、これは決して悪いことではありません。仲間と走って、そのあと一杯を楽しむ——最高のリフレッシュだと思います。ただ、普段よりも強度の高いトレーニングの後に、多めの飲酒が重なると、内臓、特に肝臓に負担がかかりやすくなります。
体を診させていただくと、右の季肋部(きろくぶ=肋骨の下のあたり)や背中の緊張がとても強く、腰や背中の筋肉も硬い。さらに、胸椎の真ん中あたりの動きが大きく制限され、その結果として、腰の骨まわりの筋肉や胸腰筋膜(きょうようきんまく=腰と背中をつなぐ膜状の組織)が過度に緊張していました。これが、腰痛の直接の原因になっていたと考えられます。
一般的にも、内臓が疲れると、その近くの背中や腰が張りやすいと言われます。そして、この張りがエスカレートしていくと、体は無意識に重心を右側へ傾け、その傾きがお尻や太ももに影響して、坐骨神経痛に似た辛い症状へと連鎖していきます。今回の方も、まさにその入り口に差しかかっていました。・
東洋医学と整体、そして「3日間の休肝」
治療では、東洋医学の考え方に基づいて、水分代謝や消化吸収をサポートする施術を行いました。あわせて、右へ傾いた骨格と重心を整える整体を組み合わせています。腰そのものを強く揉むのではなく、腰痛を引き起こしている”おおもと”に働きかけるイメージです。
そして、日常生活のお願いとして、治療を続けた3日間はお酒をお休み(休肝)していただきました。
再発したあとには、飲酒との付き合い方も一緒に見直しました。とはいえ、楽しみを取り上げたいわけではありません。ご提案したのは、チェイサー(和らぎ水)を、お酒と同じ量だけ用意するという習慣です。お酒を一杯頼んだら、お水も一杯。これだけで、体への負担はずいぶん変わってきます。楽しみは続けながら、体もいたわる——その両立を目指した工夫です。

走りながら治したい。そのお気持ちに寄り添って
「休んだほうがいいのは分かる。でも、走るのをやめたくない」——ランナーさんなら、多くの方がそう感じるのではないでしょうか。
当院では、できる限り走りながら治すことを前提に、治療計画を組み立てていきます。もちろん、専門家として、状態によっては一時的にランニングを止めていただく判断(”ドクターストップ”というと語弊があるかもしれませんが)をお願いすることもあります。それでも、「走りたい」というお気持ちは、できる限り大切にしたいと考えています。
一方で、飲酒や休息はご自分でコントロールできても、骨格の歪みや重心の偏りを、自分で調整することはとても難しいのが正直なところです。ここは、専門家の出番だと思っています。
よくあるご質問(Q&A)
Q. ランニングは完全にやめないとダメ?走りながら治せない?
当院では、できる限り走りながら治せるように治療計画を組み立てます。ただし専門家として、状態によってはランニングのストップをお願いする場合もあります。
Q. どのくらい休めば回復するの?
歩行など日常生活に支障が出ているようであれば、まずは3日間お休みし、その間は治療を継続することをおすすめします。
Q. お酒は一切ダメ?チェイサーを入れればいい?
早く治したいなら、まずは短期間(3日〜1週間)、飲酒をお休みするのがよいと思います。そのうえで、どうしても飲む場合や、再発を防ぐためにも、チェイサーの習慣を身につけていただく必要があると考えています。
Q. セルフケア(ストレッチ・マッサージ・ジョグ)は続けていい?
痛みの強い期間は中止してください。マッサージは体の状態にかかわらずおすすめしていません。ストレッチは、気持ちの良い程度にとどめておきましょう。もし、ストレッチのポーズをとるだけで痛みを感じるようであればその時点で中止してください。
まとめ ― 楽しみを長く続けるために、回復も味方につける
飲酒や休息のコントロールは、ご自分でも工夫できます。けれど、骨格の歪みや重心の偏りまで自分で整えるのは、なかなか至難の業です。
「走りながら治したい」——そのお気持ちに、私は寄り添いたいと思っています。ただ、それをおひとりで叶えていくのは本当に難しいので、無理を重ねる前に、どうか素直に頼ってください。
走ることも、走ったあとの一杯も、仲間との時間も、これからも楽しんでいくために。体の回復を、いっしょに味方につけていきましょう。気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
いしだ鍼灸整骨院(愛媛県西条市)
- ご予約:ホームページのWEB予約/お電話 0898-64-2633
- 診療時間:火・水・金 9:00〜20:00/木 9:00〜14:00/土 9:00〜17:00(定休:月・日・祝)
※当院は完全予約制・自費診療専門です。治療費やその他Q&Aなどはホームページよりご確認ください。


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