こんにちは。愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を開業しております、院長の石田将太郎(いしだ しょうたろう)です。
朝、目が覚めた瞬間から、胸の上に重りが乗っているようで息がしづらい。こういった朝を、何日も続けて迎えていませんか。

- 胸のあたりが重く、詰まるような感じがする
- 息を吸おうとしても、肩が上がるだけで、うまく吸えない
- このまま息ができなくなるんじゃないかと、怖くなる
- みぞおちのあたりが冷たくなって、血の気がサーっと引いていく感じがする
ひとつでも「あ、私かも」と思われたなら、この記事はきっとお役に立てると思います。
はじめにお伝えしておきますが、胸の重さや息苦しさは心臓や肺の病気のサインであることもあります。ですから、まずは病院で検査を受けていただくことがいちばん大切です。
そのうえで、検査で大きな問題が見つからなかった方の中には、浅い呼吸で何度も吸ってばかりいて、吐く方がほとんどできていないという方がいらっしゃいます。息苦しいのに、原因が「吸いすぎ」のほうにある、ということです。
今日は、その息苦しさの意外な原因と、ご自宅でできるセルフケアをお伝えします。読み終える頃には、「吸えない」の正体が少し見えて、今日から試せることが一つ、手元に残るはずです。
こういったお悩みで来られる方が、増えています
最近、「息ができない」「大きく息を吸おうとしても入ってこない」「胸が重苦しい」といったお悩みで来院される方が増えています。
特に多いのが、50代の女性です。体調を崩してパートをお休みされていたり、ご家族の病気や身内のことで大きな不安を抱えていらっしゃったり。そういった時期と重なっている方が、よくおられます。

みぞおちのあたりが冷たくなって、血の気がサーっと引いていく感じがするんです
このままでは、死んでしまうんじゃないか
そう感じるほど、ご本人にとっては本当に怖い症状です。涙ぐみながらお話しされる方もおられますから、長い間おひとりで背負い込まれている方が、他にもおられるのではないかと思っています。
ところが、施術で呼吸を整えていくと、思いのほかあっさりと楽になっていかれる方が多い、というのも私が現場で感じていることです。憑き物が取れたかのように、表情に笑顔が戻る様子を何度も見てきました。
ですから、どうかおひとりで抱え込まないでください。ここから、その原因を一緒に見ていきましょう。
(※体の変化には個人差があります。同じ施術・同じセルフケアで、どなたも同じ結果になるとは限りません。)
① まずは病院で検査を受けてください
大切なことなので、もう一度お伝えします。
胸の重さや息苦しさは、心臓や肺の病気のサインであることもあります。朝方の胸の圧迫感や、急に強くなる胸の痛みがある方は、まず循環器内科などの病院で検査を受けてください。
そのうえで、「何も問題がなかった」あるいは「自律神経の乱れでしょう」と言われた場合には、これからお話しする内容が当てはまる方が多いと感じています。
また、気持ちの落ち込みが強い時は、心療内科にご相談いただくことも選択肢のひとつです。ただ、その前に一度、しっかりと呼吸が伴うようになるかどうか。この記事のセルフケアを試していただくか、気の早い話ですが、当院へご相談いただいても、と思っています。
それほど、症状が軽くなると不安や気持ちの落ち込みまで変わっていきますので。
② 息苦しいのに、原因は「吸いすぎ」?|降りる人のいない満員電車
検査で大きな問題がなかった方の中には、呼吸のバランスが崩れている方が比較的多くいらっしゃいます。
息苦しいと、「もっと吸わなきゃ」と思いますよね。でも実際には、浅い呼吸で何度も吸ってばかりいて、吐く方がほとんどできていないことがあるんです。
たとえるなら、降りる人のいない満員電車です。
降りる人がいないのに、次々と人が乗り込もうとしても、それ以上は誰も乗れませんよね。肺の中も同じで、古い空気を吐き出せていないから、新しい空気が入る余地がないんです。
「吸っても肩が上がるだけで、うまく吸えない」というのは、まさにこの状態なんですね。
吸ってばかりの呼吸が続くと、体はどうなるの?
この状態が続くと、軽い過呼吸に近い状態になっていくのではないか、と私は考えています。
過呼吸をご存じでしょうか。もしかしたら、ご経験された方もいらっしゃるかもしれません。あの苦しくて怖い状態は、息を吸い過ぎて吐けていない状態が長く続いたことで起こると言われています。緊張やプレッシャーがかかり続けると呼吸が浅くなり、吐く方がさらに減って、吸ってばかりになってしまうんですね。

そして一般的には、呼吸が浅く速いままだと、体を活動モードにする交感神経(こうかんしんけい・体を緊張させて動けるようにする神経)が働き続けやすいと言われています。上の図でも、呼吸は交感神経側が「早い」、副交感神経側が「ゆっくり」となっていますよね。
交感神経が働きっぱなしになると、どうなるでしょうか。疲れやすくなり、眠りも浅くなって、気持ちまで落ち込みやすくなっていく——思い当たることはありませんか。
さらに、息を吐く時に使う肋間筋(ろっかんきん・肋骨と肋骨の間にある筋肉)がこわばると、胸まわりが縮こまって姿勢が丸くなり、ますます息が入りにくくなります。
この悪循環が、胸の詰まりや重さにつながっていると、私は施術の中で感じています。朝が特につらいのも、寝ている間に胸まわりが縮こまったまま固まってしまうためではないかと考えています。
③ 呼吸を邪魔している緊張を、遠いところからほどいていきます
当院では、まず呼吸を邪魔している肋骨まわりやお腹の緊張をゆるめていきます。
といっても、そっと手を置く程度の、体が「刺激」と感じないくらいのやさしい施術です。
足首や手首、膝、股関節と、体の遠いところから順に。絡まった細い糸を一本ずつほどいていくように、丁寧に整えていきます。
体が安心できると、自然と胸あたりの力が抜けていって、呼吸も深くなっていくんですね。
④ 今日からできる「吐き切る深呼吸」
それでは、ご自宅でできるセルフケアをお伝えします。
ポイントは、吸うことではなく「吐き切ること」です。

やり方
- まず、椅子に浅く腰をかけて、足の裏を床につけます
- 口から、肺が空っぽになるまで息を吐き切ります。水の中で思い切り息を吐き出すようなイメージで、遠慮せずに吐いてください
- 苦しくなってきたところで、もう一段粘って吐きます。この時、相当苦しくて、脇腹あたりに軽い苦しさや痛みを感じられるかもしれません
- 吐き切ったら、力を抜きます。空気は自然と入ってきます。あえて大きく吸おうとしないでください
個人差があるので具体的な回数はお伝えしにくいのですが、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と、少しずつ吐く息が長くなることを意識してやってみてください。
正直に申し上げて、最初はしんどいです。ですが、吐けるようになれば、吸う量も自然に増えていくことが、次第に感じられるようになると思います。
当院でも、10回近くサポートしながら患者さんに行っていただいています。
うまく吐き切れない方へ
「はっ、はっ、はっ、はっ、はーーーー」と、リズムをつけながら吐いてみてください。
最後の「はーーーー」に合わせて、上半身をゆっくり前に倒していくと、吐き切りやすくなります。
始める前に、注意点があります
- 決して頑張りすぎる必要はありません
- もしクラっとしたり、苦しくて怖いと感じたりした時は、すぐにやめて、いつもの呼吸に戻してください
焦る必要はありません。それだけ、呼吸の中でも吐く方の呼吸が小さく弱くなっていた、というだけのことです。
どのくらいの頻度で?
この「吐き切る深呼吸」を、1時間に1回、5分から10分間を目安に行ってみてください。最初が肝心で、しんどいけど頑張ると成果が出やすいと感じています。難しい日は、気づいた時だけでも構いません。
特に寝る前は、たくさん行って、吐き疲れてから眠るくらいで大丈夫です。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 息を吐き切ると頭がクラっとします。続けて大丈夫でしょうか?
A. その時は、いったんやめて、いつもの呼吸に戻してください。一般的には、急に強く吐いたり吸ったりすると、一時的に頭がふわっとすることがあると言われています。無理に続けるよりも、吐く長さを短くして、回数を分けるほうが安心です。怖さが残るときは、どなたかが近くにいる時間帯に試してみてください。
Q. どのくらい続けたら変化を感じますか?
A. これも個人差があります。一度のトライで変化が出なくても、落ち込む必要はありません。3日、5日と継続していくと、少しずつ変化を感じられるはずです。
コツは、「何も変わらない」「ちょっとしか吐く息が長くなってない」と捉えるよりも、「さっきよりちょっとだけ長く吐けたかも」「昨日よりも楽に吐けているかも」というように、ポジティブな変化を捉えるようにすること。そして、できたらご自身を褒めてあげてください。
Q. 病院で「異常なし」「自律神経の乱れでしょう」と言われました。もう打つ手はないのでしょうか?
A. 検査で大きな異常が見つからなくても、つらい感覚が続くことはあります。一般的には、呼吸のクセや姿勢、胸まわりの筋肉のこわばりなどが関わっているケースもあると言われています。まずは今回のセルフケアを試していただき、それでも気になる症状が続くようでしたら、一度ご相談ください。
まとめ|「吸えない」のではなく「吐けていない」のかもしれません
続けていくうちに、呼吸の変化だけでなく、顔色がよくなった、唇に血色が戻ってきた、と感じられる方もおられます。表情まで変化されることに気づく方もいらっしゃいます。
それでは、今回のまとめです。
- 胸の詰まりや息苦しさがある時は、まず病院で検査を受けることが大切。心臓や肺の病気のサインであることもあります
- そのうえで、無意識に呼吸が浅くなり、吸ってばかりで吐き切れていない呼吸が、息苦しさにつながっていることがあります。降りる人のいない満員電車と同じで、古い空気が出ていかないと新しい空気は入りません
- セルフケアは、1時間に1回、肺が空っぽになるまで吐き切る深呼吸。少ししんどさを感じることがあっても問題ありません。ただし、クラっとしたらすぐにやめてください
死んでしまうかと思うほど怖い息苦しさでも、呼吸を整えることで楽になっていかれる方が比較的多い、という印象を私は持っています。
もし、うまく呼吸ができているかわからない、呼吸をサポートして一緒にやってみたい、呼吸の邪魔をしている胸のまわりや肋骨の緊張を治療してもらいたい。そういったお気持ちがあるようでしたら、どうぞお気軽に当院をご利用ください。
おひとりで抱え込まずに、まずはご相談くださいね。
(※本記事でご紹介した変化は一例です。症状の感じ方や回復の経過には個人差があります。)
あわせて読んでいただきたい記事
「胸の重苦しさ」「眠りが浅い」を、自律神経の乱れという言葉の側から書いた記事もあります。実際に来院された50代前半の女性の経過(3回目までの変化)もご紹介していますので、よろしければこちらもご覧ください。
→ 「胸が重苦しい」「眠りが浅い」——それ、本当に自律神経のせいでしょうか?
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当院では、問診から検査、施術、そのあとのセルフケアや日常動作のアドバイスまで、すべて私が責任を持って対応させていただきます。
この記事を書いた人
石田 将太郎(いしだ しょうたろう)
いしだ鍼灸整骨院 院長/柔道整復師・はり師・きゅう師
愛媛県西条市で2021年5月に開業。強い刺激に頼らない手技療法と鍼治療で、「なぜか良くなる」とお声をいただくことが多いです。検査と問診に時間をかけたあと、的確な場所へ、適切に、最小限の刺激で施術を行っていきます。月に2回から3回は治療の研修に参加し、手技のアップデートを続けています。

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