「寒くなる前に腰痛の対策を始めたいです」
「今年の冬はコルセットに頼らなくてもいいように、まめに腰痛ケアをすると決めました」
最近になって、メンテナンスにお越しの患者さんから腰痛対策についてご相談を受ける機会が増えました。
一気に秋めいてきて、雨が降るたびに気温も下がるような気候ですから、
腰痛で苦しんだ患者さんたちは「もう腰痛で苦しみたくない」と強く思っているはずです。
そして、本格的に寒くなっていく前に腰痛対策をしていきたいとお考えの方は、
当院の患者さんだけではないはずです。
今回のブログでは、
・寒さや冷えが影響する腰痛
・秋が深まり冬になると辛くなる腰痛
・年末年始に決まって襲ってくるぎっくり腰
そういったお困りを事前に防ぐための対策を紹介していきます。
腰痛はなんといっても予防が大切です。痛みの強度が増してからでは、治療も大変です。
ましてや、ぎっくり腰になってしまうと、仕事や家事、育児ができなくなったり、
ご自身の身辺を誰かに助けてもらわないといけなくなったり、他者への負担も大きくなります。
今年の夏は異常に暑く、また厳しい残暑も長く続きました。
その間に、私たちの体はひどく消耗しました。実は、そういった影響を一番に受けているのは筋肉や関節です。
つまり、腰の筋肉や、腰を構成する背骨や骨盤の関節は、多大に消耗したまま冬を迎えることになります。
そのように考えると、怖くなりますよね。
すみませんでした。決して脅したくてこのようなことを書いているわけではないんです。
ですが、そういった事実を知り、早めに腰痛対策を初めていただきのです。
ですから、少しでも腰痛のことで不安を感じているようであれば、
まずはこの度のブログをご覧いただき、できそうなことから少しずつ始めていただければ嬉しいです。
◯はじめに
こんにちは。愛媛県西条市にあるいしだ鍼灸整骨院の院長、石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
寒い季節が近づくと、腰痛に悩まされる方が増えます。
「寒くなると腰が痛くなる」というのは、単なる言い伝えではありません。
実際に、気温の低下によって体が硬くなり、筋肉や関節に負担がかかりやすくなるのです。
特に腰痛持ちの方にとって、寒い季節は大きな試練となります。
毎年、寒さとともに訪れる痛みに「今年も始まった」とため息をつく方も多いのではないでしょうか。
日常生活に支障をきたすほどの痛みに悩まされ、冬の楽しみを奪われてしまう方もいらっしゃいます。
そしてそのようなお悩みや辛さ、不安な気持ちは、身近な方には理解してもらえないことも多いです。
寒さが厳しくなるたびに「またあの痛みが…」と心配になる気持ち、本当に辛いものですよね。
でも、諦めないでください。
適切なケアと予防法を知ることで、寒い季節でも腰痛とうまく付き合っていくことができるのです。
この記事では、寒い季節に腰痛が悪化するメカニズムを解説し、その予防法や対処法をご紹介します。
専門家の視点から、日常生活での工夫や簡単にできるエクササイズなど、実践的なアドバイスをお伝えしていきます。
この記事を読んで、今年の冬は腰痛に悩まされることなく、快適に過ごせるようになりましょう。
◯寒さが引き起こす腰痛のリスクとは
寒い季節になると、なぜ腰痛が悪化しやすいのでしょうか。
その理由を理解することが、効果的な対策を講じる第一歩となります。
まず、気温の低下によって体が冷えると、血行が悪くなります。
特に腰回りの筋肉は大きく、血流が滞りやすい場所です。
血行が悪くなると、筋肉や靭帯が硬くなり、柔軟性が低下します。
その結果、急な動きや負荷がかかったときに、腰を痛めやすくなってしまうのです。
また、寒さによって体が縮こまりやすくなり、知らず知らずのうちに姿勢が悪くなることも腰痛の原因となります。
猫背や前かがみの姿勢が続くと、腰に余計な負担がかかり、痛みを引き起こす可能性が高まります。
さらに、寒い季節は運動不足に陥りやすいという点も見逃せません。
外出を控えがちになり、室内でじっとしている時間が増えると、筋力が低下し、体の柔軟性も失われていきます。
これらの要因が重なり、腰痛のリスクが高まるのです。
具体的な例を挙げてみましょう。
ある50代の会社員の方は、毎年11月頃から腰痛に悩まされていました。
寒くなると体が硬くなり、オフィスでの長時間のデスクワークがさらに症状を悪化させていたのです。
また、70代の主婦の方は、寒さで外出が減り、家事をする際の急な動きで腰を痛めるケースが増えていました。
これらの事例からも分かるように、
寒さによる腰痛のリスクは年齢や生活スタイルを問わず、誰にでも起こり得るものです。
しかし、このリスクを理解し、適切な対策を取ることで、
寒い季節でも腰痛を予防しながら快適に過ごすことができます。
◯専門家が教える腰痛を防ぐ生活習慣の工夫
寒い季節の腰痛を予防するには、日々の生活習慣を見直し、適切なケアを心がけることが重要です。
ここでは、専門家が推奨する効果的な予防法をご紹介します。
まず最も重要なのは、体を温めることです。
特に腰回りを中心に、体全体を暖かく保つよう心がけましょう。
具体的には、腹巻やホッカイロの使用が効果的です。
また、入浴時には負担のない範囲でやや熱めのお湯(38〜40℃程度)にゆっくりとつかり、
体の芯から温めることをおすすめします。
寝る前の入浴は特に効果的で、温まった体で就寝することで、夜間の腰痛予防にもつながります。
次に、適度な運動を心がけることも大切です。
寒いからといって運動を避けるのではなく、室内でできるストレッチや軽い運動を日課にしましょう。
例えば、起床時に5分程度のストレッチを行うだけでも、
体が柔らかくなり、一日を通して腰痛のリスクを軽減できます。
また、正しい姿勢を保つことも重要です。デスクワークが多い方は、椅子の高さや背もたれの角度を調整し、
足を床にしっかりつけた状態で作業することをおすすめします。
長時間同じ姿勢を続けないよう、1時間に1回は立ち上がって軽く体を動かすことも効果的です。
そして、睡眠環境の整備も見逃せないポイントです。
適度に硬めの寝具を選び、枕の高さも調整して自然な寝姿勢を保てるようにしましょう。
就寝時は暖かい部屋で寝ることが理想的ですが、寒い部屋で寝る場合は、腰回りを中心に保温に気を付けましょう。
栄養面でのケアも重要です。
ビタミンB群やビタミンDを含む食品を積極的に摂取することで、神経や筋肉の健康維持に役立ちます。
具体的には、魚類、乳製品、緑黄色野菜などを日々の食事に取り入れましょう。
また、十分な水分補給も欠かせません。
体内の水分が不足すると、筋肉や関節の柔軟性が低下し、腰痛のリスクが高まります。
最後に、ストレス管理も忘れてはいけない重要項目です。
ストレスは体の緊張を高め、腰痛を悪化させる要因となります。
瞑想やヨガ、深呼吸など、自分に合ったリラックス法を見つけ、日々実践することをおすすめします。
これらの生活習慣の工夫を日々の生活に取り入れることで、
寒い季節でも腰痛のリスクを大幅に軽減することができます。
◯お家で簡単にできる腰痛予防エクササイズ
寒い季節の腰痛予防には、適切なエクササイズが欠かせません。
ここでは、自宅で手軽に行える効果的なエクササイズをいくつかご紹介します。
これらは正しく行えば腰痛の予防や緩和に大変効果的です。
1. 猫背ストレッチ(キャット&ドッグ)
四つ這いになり、息を吐きながら背中を丸め、吸いながら反らします。これを10回ほど繰り返します。
このエクササイズは背骨の柔軟性を高め、腰周りの筋肉をほぐすのに効果的です。
起床時や、長時間座った後に行うと良いでしょう。
↓図をマネするだけでも効果的です。ゆっくりとポーズを変化させていきましょう。
2. 膝抱えストレッチ
仰向けに寝て、片方の膝を胸に抱え込みます。15秒ほど保持し、反対の足も同様に行います。
これにより、腰の筋肉が伸びて緊張がほぐれます。寝る前に行うと、質の良い睡眠にもつながります。
3. ブリッジ
仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げます。
この状態を10秒ほど保持し、ゆっくり下ろします。これを5-10回繰り返します。
このエクササイズは腰周りの筋肉を強化し、背骨の安定性を高めます。
負荷の大きなエクササイズですので、決して無理のないようにしてください
4. 腹筋運動
仰向けに寝て膝を立て、上半身をゆっくり起こします。
このとき、太ももや下半身の力を抜き、腹筋に力を入れることを意識しましょう。
10回ほど繰り返します。腹筋を鍛えることで、腰への負担を軽減できます。
5. 膝倒し運動
仰向けに寝て膝を立て、膝をゆっくりと左右に倒します。
これを10回ほど繰り返します。骨盤周囲の柔軟性を高め、腰の緊張をほぐすのに効果的です。
6.プランク
体感を強化するためのエクササイズで、特に腹筋や腰の筋肉強化に効果的です。
肘を曲げ、肘と前腕で体を支えます。肘を肩の真下にくるようにセットし、体全体が一直線になるようにキープします。
お腹とお尻に力を入れ、背中が丸まらないように注意しましょう。
呼吸を止めないように深呼吸をしながら、まずは20〜30秒を3セット行うことから始めましょう。
↓まずは図をマネてみましょう。お尻が浮いたり沈んだりしないように、誰かに見ていてもらうといいですよ。
これらのエクササイズを行う際は、無理をせず、痛みを感じたら直ちに中止してください。
また、寒い季節は体が冷えているため、エクササイズの前に軽いウォーミングアップを行うことをおすすめします。
例えば、その場でもも上げ運動や軽めのバンザイジャンプを1分ほど行うだけでも効果があります。
また、これらのエクササイズは毎日続けることが重要です。
もちろん、全てを行う必要はありません。しやすそうなものをまずは3種類選びましょう。
1日のうちで、朝起きて体の感覚が安定したタイミングと就寝前の2回行うのが理想的です。
朝は体を目覚めさせ、一日の活動に備えるため、夜は一日の疲れをほぐし、質の良い睡眠につなげるためです。
個人の状態や年齢によって適切なエクササイズは異なる場合があります。
より詳しいアドバイスが必要な場合は、専門家に相談することをおすすめします。
継続的な実践により、寒い季節でも腰痛に悩まされることなく、快適に過ごせるようになるはずです。
◯まとめ
寒い季節の腰痛は多くの方を悩ませる問題ですが、
適切な知識と対策があれば、十分に予防し管理することができます。
この記事では、寒さが腰痛に与える影響から、日常生活での予防法、
そして具体的なエクササイズまで、幅広く解説してきました。
重要なのは、これらの対策を継続的に実践することです。
一時的な対処ではなく、日々の習慣として取り入れることで、真の効果が現れます。
寒い季節が来る前から準備を始め、寒さが厳しくなっても定期的にケアを続けることが大切です。
もし、これらの対策を試してみても改善が見られない場合や、痛みが強く日常生活に支障をきたす場合は、
躊躇せず専門家に相談することをおすすめします。早期の対処が、深刻な症状の予防につながります。
腰痛は辛い症状ですが、決して諦める必要はありません。
適切な知識と対策があれば、寒い季節でも快適に過ごすことができます。
この記事で紹介した方法を参考に、ご自身の生活に合わせた腰痛対策を見つけてください。
健康で活動的な冬を過ごせることを願っています。
最後に、腰痛でお悩みの方々へ。あなたは決して一人ではありません。
多くの人が同じ悩みを抱えており、そして多くの人がこれらの対策で改善を感じています。
ですから希望を持って取り組んでください。
そして、もし不安や疑問があれば、遠慮なく専門家に相談してくださいね。
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(監修 柔道整復師 鍼灸師 石田 将太郎 )