「最近の冷え込みで急に腰が痛くなった」
「冬になるとぎっくり腰を起こしそうでいつもコルセットをしています」
最近そのようなお声を聞くことが増えました。
もしかしたら同じようにお困りの方がおられるのではないかと思いましたので、
寒冷の影響で起こる腰痛やぎっくり腰の原因、そして対策法をお伝えしていきます。
こんにちは、愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を営んでおります、
院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
この度のブログでは、
私の臨床経験上の考察をふまえ、
ぎっくり腰の実態(全てではありません)、腰痛と寒冷の関係性、
そして対策についてまとめさせていただきます。
今まさにお困りの方には、きっとお役に立てる内容となっています。
お時間の許す際に、最後までご覧いただければ幸いです。
◯ぎっくり腰の原因は全身の筋肉疲労?
お体の中でいわゆる「腰」をあらわす場所は、ウエストやお臍(へそ)周辺の背中側のことと認識しています。
実はこのあたりって、体の中でも唯一と言っていいぐらい、骨で守られていない場所です。
中心には背骨がありますが、あとは筋肉や脂肪しかないですよね。
腰の上下はどうでしょうか?
肋骨や骨盤というしっかりとした骨組みで保護されているように感じます。
私はそこに疑問を抱いていました。
おそらく、腰って本当は一番安定性が悪くて弱いところなんじゃないかな?
と考えるようになったんです。
骨のように硬いもので覆われている方が、安心感がありませんか?
ほら、童話の三匹の子豚でも、藁葺きの家よりレンガの家の方が強くて安心でしたよね。
私の考察に戻りますが、
腰以外の全身各部が、もともと不安定な腰に負担がかからないように、
いつも精一杯頑張っているんじゃないかと考えたんです。
ところが、
・日常の疲労やストレスに影響して筋肉がかたくなる
・デスクワークや立ち仕事によって、姿勢保持のために使う筋肉が疲労している
・普段から重たいものを持ち運ぶ、反復して同じ動作を繰り返している
・睡眠不足や食事のかたよりなど、不摂生が影響してつねに体がこわばっている
・自律神経やホルモンの働きの乱れで疲労が蓄積する
このように、さまざまな影響で体中が疲労してかたくなっています。
それらが限界をむかえ、腰の筋肉に影響が及ぶようになり、
ある瞬間に突然、激しい痛みとして現れたものが「ぎっくり腰」なのではないかと考えています。
「魔女の一撃」と言われることもあるほど、たしかに、突然襲うはげしい痛みや衝撃ですが、
やはりそうなってしまった背景は、積み重なる全身の疲労が影響していることも原因のひとつです。
まるで、
水面張力で保たれていたバケツの水が、ちょっとした衝撃にも耐えられず、
あふれかえった様子とイメージしています。
ちなみに、ぎっくり腰を例えるなら車の自動抑制装置に似ていると感じています。
「これ以上の負荷がかかると、次は神経や血管、生命維持に関わるものにも影響がでるよ!」
という体からのメッセージと考えています。
◯寒い時期にぎっくり腰が多い理由とは?
寒くなると、無意識に首をすぼめて身を丸めていたり、ふるえを感じたりすることはありませんか?
これって、筋肉を使って体が熱を生もうとしている様子で、寒さに耐えるための生理現象なんです。
実はこの時にも、体はエネルギーを消費し、筋肉はかたく緊張したままとなります。
つまり、日常のベースとなる疲労の上に、熱を産生するための労力が上乗せされていることになります。
他にも衣服の影響や、乾燥による粘膜刺激、新陳代謝の低下など、
季節がらの影響で身体ストレスが増えることは否定できません。
どうしても筋肉や関節を負担させてしまう季節なので、
知らず知らずのうちに体にはたっぷりと疲労が溜まり、
ちょっとした衝撃や動作がぎっくり腰への最後の引き金になると考えています。
◯ぎっくり腰やつらい腰痛を予防する方法とは?
ここからは、予防策について書かせていただきます。
実はぎっくり腰を繰り返している方の多くは、再発を予感することもできるようです。
また、腰痛がいつもより強くなった、長引いている、そういった様子もぎっくり腰の予兆と考えてもよいはずです。
ですので、まずはそのようなタイミングで一度、
「疲労で体のキャパが限界を超える直前」または「体の自動抑制がかかり出す寸前」
そのように認識を高める必要性があると考えています。
その上で、これから紹介する対策をまずは3日間継続していただきたいと思います。
①入浴で体を温める
少し熱めのお湯で10〜15分程度ぬくもりましょう。
温熱効果と水圧によるマッサージ効果を得られるため、体がリラックスして疲労が抜けやすくなります。
また、睡眠の質が改善されるので、回復力が高まります。
どうしても入浴が嫌いという方は、桶に湯を入れ、足湯をしながら洗体をおこなってみましょう。
②睡眠時間をいつもより多くとる
具体的には、いつもよりも30分〜1時間早くベッドや布団に入っていただきます。
寝つきが悪いので、という方もおられますが、寝られなくても大丈夫です。
体を労る気持ちで、早めに休むようにしましょう。
部屋の電気を消し、スマホやタブレットの使用は、できることならさらに1時間前には終わらせておきます。
身体の回復には成長ホルモンの働きが欠かせません。
成長ホルモンは大人になっても働いているホルモンです。
さらに、22時〜深夜2時ごろにもっとも働くことがわかっています。
ですから、遅くても日が変わるまでに就寝していただきたいと考えています。
③食事の量を減らし、水分を多めにとる
自己治癒力を最大限発揮するためには、内臓を休めることが効果的な場合があります。
疲労でエネルギーを消耗しすぎている時や、激しい炎症があったり、いつもより症状が強くなった時などには、
一度食事の量を減らし、回復するために必要な身体反応にむけてエネルギーを集中させる必要があると考えています。
経験があると思うのですが、ひどい風邪をひいて高熱でうなされている時って食事どころじゃないですよね。
熱やその他の風邪症状が、ある程度落ち着いてからじゃないと食欲がでてこないはずです。
改めて考えてみると、自然の摂理として人の体もそうなっているんだなと思いました。
例えば野生の動物も、ひどい怪我や病気になった時には、
安全な場所で、一切食べ物を口にせずにじっとしている時間を作るようです。
ですので、3日間は一日2食生活にするとか、一食の食事量を2/3〜1/2に減らすようにしてください。
反対に水分摂取を増やし、体内循環を活発にしましょう。
特に冬場は口渇感が薄れることで、水分の補給がおろそかになりがちです。
身体不調の原因のひとつですから、意図的に水分を補給しましょう。
目安は体重×20〜30mlを目標にしてください(体重50kgの方でしたら、1〜1.5㍑程度)。
④大きな筋肉をストレッチする
大きな筋肉をストレッチでやわらげていくと、筋肉疲労の回復に対して効率がいいです。
まずは、
・お尻の筋肉
・太ももの筋肉
・背中や体側(体の側面)の筋肉
これら3つの筋肉をゆっくりとストレッチしましょう。
複雑なストレッチ方法は必要ありませんが、グッグッ!と反動をつけるストレッチは逆効果になる場合があります。
テンションを感じながら、ジワーッとゆっくり伸ばすようにしてください。
実は患者さん数名にお願いしてある検証をおこないました。
「ストレッチは一回あたり何分実施するといちばん効果を感じられるか」というものです。
結論からお伝えすると、20分以上のストレッチが最も効果的でした。
20分と聞くと長く感じるかもしれませんが、習慣になった患者さんたちは、
「今ではストレッチが欠かせない」と口を揃えておっしゃるほどです。
簡単なストレッチをご紹介しますので、ぜひ3日間継続してください。
24時間のうちのたった20分で腰痛が良くなるのならば、万々歳と思います。
※体がかたい方もおられますので、無理をしないようにお願いいたします。
画像のポーズを可能な範囲で真似ていただくだけでも効果があります。
・お尻の筋肉のストレッチ
反対脚をまたぐことでお尻の外側の筋肉にストレッチがかかります。
さらに上体をねじるようにしたり、腕で膝をまたいだ方向へ押していくとストレッチの強度が上がります。
太ももを手前に引くように持ち上げると、お尻の後ろ側の筋肉にストレッチがかかります。
寝た状態でもできるので、しやすい格好で継続しましょう。
・太もものストレッチ
腰痛患者さんの傾向として、太ももの前側がカチカチになっている方が多いので、しっかりとゆるめてあげましょう。
体のかたい人は、画像のように膝が床に付かなくてもOKです。
決して無理のないようにしてください。
太ももの裏側にも大きな筋肉の束があります。こちらもゆっくりとストレッチをしてあげましょう。
脚やお尻のストレッチ方法については、
過去に体育や部活動のクールダウンでしたことのあるような、
馴染みのあるストレッチで十分に効果があります。
・背中や体側のストレッチ
ゆっくりと大きな伸びを繰り返すだけでもOKです。
腕を真上へ挙げたあと、画像のように片方の肘を持ち、反対側へ引くようにすることで、
体の側面がストレッチできます。
いくつかのストレッチをご紹介しましたが、全てを完璧な形でしないといけない、ということではありません。
それよりも、かたくなっているご自身の筋肉を確かめるように、ジワーッと筋肉を伸ばす感覚をとらえながら、
20分間という時間を費やしていただければと考えています。
◯まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
この度のブログでは、私の臨床経験上の考察をふまえて、
ぎっくり腰の実態(全てではありません)、腰痛と寒冷の関係性、
そして対策についてご紹介させていただきました。
今まさにぎっくり腰の気配を感じている方や、腰の様子が思わしくないといった方は、
まずは対策法を3日間継続していただきたいと思います。
それでも良くならない、一向に変化がないという場合には、他の原因が隠れていることも少なくはありません。
そういた場合には、ぜひ一度当院へお問い合わせいただければ幸いです。
また、
「腰痛の根本治療を考えている」「繰り返すぎっくり腰をなんとかしたい」
そのようなお悩みにも対応いたします。
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◯患者さんからの喜びのお声
◯最後に
この度のブログ内容が少しでもお悩み解消のお役立ちになることを願います。
また他にも、ブログ内容についてのご質問や、解消法についてもっと詳しく知りたい、
そのようなご意見もお待ちしております。お気軽にお問い合わせください。
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(監修 柔道整復師 鍼灸師 石田将太郎)