「腰痛がひどくなると朝起きる時にも腰が痛む」
「立ち仕事で疲れてくると、決まって翌朝は腰が痛い」
もしかしたら、そのようなお困りを抱えている方は多いのではないでしょうか。
足の疲れが原因?姿勢の問題?いえ、起床時の腰痛には他にも隠された原因があります。
また、
「寝具が原因だろうか?」
「寝ているだけなのにどうして痛くなってしまうの?」
そのように疑問や不安が大きくなっている方もおられるはずです。
そこでこの度は、起床時に感じる辛い腰痛についてブログにまとめました。
この度のブログを最後までご覧いただくことで、起床時のお困りを改善することができるかもしれません。
お時間の許す際に、ぜひ最後までご覧ください。
◯はじめに
こんにちは。
愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を開業しています、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
この度のブログでは、起床時に感じる辛い腰痛について原因と対策を解説しています。
・朝起きる時に腰が固まったように痛い
・寝返りをすると痛みが走る
・朝から腰が重だるい
・ちょっと腰を動かしてからでないと起き上がることができない
一方でこういった腰の痛みがあっても、朝の準備をしていたり、
お昼頃になると気にせず動けるようになっていたりと、自然と痛みを忘れている。
でもまた次の日の朝に同じ思いをする。こういったことをくり返していないでしょうか。
このようなお困りは、朝から腰が痛む、いわゆる起床時腰痛のパターンです。
実はこの腰痛にはある原因が存在します。
原因の内容からお伝えすると、その腰痛は「ストレート腰」が関係している可能性があります。
◯ストレート腰とは
そもそも、ストレート腰とはどういった状態なのか、というところから解説していきましょう。
通常、横から見た場合、人の背骨はS字の弯曲(わんきょく)を描いています。
この時に、前弯(ぜんわん)と言って腰椎は前に弯曲しています。
ちなみに背中は後弯(こうわん)と言って後ろに弯曲するようになっています。
本来であれば、上図のように背骨は綺麗なS字の弯曲を描くことによって、
衝撃を吸収するバネのような役割を果たします。
反対にストレート腰になっている人は、腰の生理的(身体として正しい)前弯がなくなってしまい、
腰骨(腰椎:背骨の腰の部分)が真っ直ぐになっています。
そうすると、衝撃を吸収するという能力を十分に発揮する事ができないので、
腰には大きな負担がかかるようになり、やがて腰痛が感じられるようになっていきます。
専門的にはこのような腰椎の状態をストレートスパインと言いますが、
スパインというのは背骨という意味で、真っ直ぐな背骨というふうに言います。
もしかしたら、「ストレートネック」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
7つの骨組みからなる頚椎(背骨の首パート)も、本来なら前弯の形状をとっているのですが、
ストレート腰と同様に弯曲がなくなり、頸椎が真っ直ぐとした骨組みになってしまった様子です。
ストレートネックには、肩こりや首の痛み、頭痛や腕の痺れの原因になることが知られており、
ひどくなると平衡感覚や自律神経の働きを乱すこともあります。
腰にしても首にしても、ストレートになることで本来の衝撃吸収機能が低下し、
また、背骨本来の可動域が制限されるため、周囲の筋肉や靭帯などに負担がかかるようになります。
さらに、ストレート腰になることで腰の「遊び(余裕)」がなくなってしまいます。
もともと腰椎はあまり大きく動く関節ではありませんので、わずかな遊びを保つことがとても大切です。
実際には腰を動かしているように見えても、股関節や背中あたりの骨が動いている事が多く、
腰椎自体はわずかに動いているだけなんです。
ただ、ストレート腰になっている方は、このわずかな腰の遊びすらなくなってしまい、
ギチギチに詰まったような、ほとんど動かけない状態になっています。
まるで乗客120%の、朝の満員電車のような状態です。
ただ、ストレートスパインになっていても、
立っている時には重力がかかる影響で、腰椎はわずかながらに弯曲します。
しかしながら、起床時のように腰が固まっている時や、
長時間にわたり仰向け(上向き)や横向きになっていた場合の腰椎は、
常に真っ直ぐの状態を強制されていることになります。
つまりストレート腰の人の腰部では、一晩寝ている間に、弯曲のない状態が強要されることになります。
次第に腰周りがどんどん固まってしまい、朝起きた時にはガチガチになっていて、
動くことに痛みを伴うようになっていきます。
「最近痛みが引くまでに時間がかかる…」
起床時腰痛の患者さんからはこのような声を聞くことが多いのですが、
早めにケアを初めないと、少しずつですが日に日に悪くなっていくのが実際の特徴です。
◯心当たりありませんか?起床時腰痛の傾向がわかる動作
特に以下のようことに心当たりがある方は注意が必要です。
例えば、前屈をする時に腰が曲がるのではなく、腰を曲げずに股関節だけで曲げてしまう。
いわゆるお辞儀のような動作になってしまう方はおられませんか?
背骨が真っ直ぐになっているために腰の動きが制限され、
股関節だけで上半身を曲げるようなかがみ方になっています。
他にも、下のものを取る時に腰を曲げるのではなく、
膝を曲げて物を取るような癖がある方がおられるかも知れません。
そうしないければ腰が不安になり、
背すじを真っ直ぐにしたまましゃがんで下の物を取るようになっていることがわかります。
こういったことに心当たりのある方は、
ストレート腰(ストレートスパイン)になっている可能性が非常に高いです。
気にしていなかった方も、立ったままの前屈動作と、
立ち姿勢から足元の物を取る動作とを改めてやってみましょう。
動画を録画して見返しながらチェックするとわかりやすいと思います。
◯ストレート腰を改善するには
では、どうすればこのストレート腰を改善できるのでしょうか。
実際にストレート腰になると、朝だけが特に痛い、という場合もあるようで、
同時に、腰を丸める動作ができなくなっていることがほとんどです。
なぜなら、先に説明したように、寝ている時には腰の骨が真っ直ぐの状態を強要されているからです。
ストレート腰の方は、ただでさえ腰を丸めるという動きが苦手で、固くてできない状態になっています。
ですので、いかにして腰を丸める動きを再現できるかが、症状改善のキーポイントとなっていきます。
解決方法として、腰を丸めるためのストレッチをお伝えしていきますのでぜひ参考にしてみてください。
◯ストレート腰による起床時の腰痛を解消する方法
・椅子に座った状態でできる解消法
何度もお伝えするように、ストレート腰の方は背中が真っ直ぐになっているので、
背中を意図的に丸めていくことを行っていただきます。
①まず自分のおへそを見るように首を下に曲げる。
②頭を少し下げる。そうすることで背中が自然に曲がっていく。
③そのままの状態で、お尻を後ろに滑らせるようにして骨盤を後傾させていく(腰椎が後弯した形になります)。
ストレート腰(ストレートスパイン)の方はこのように腰を丸める事が苦手になっているので、
まずこの形を作る練習を初めましょう。
この形を作ってもらったら、そのまま上半身を前に折って前かがみになります。
少し腰の筋肉が伸ばされているように感じられるかもしれません。
そのまま2つ折りになるくらいのところまで上体を下げますが、なるべく力を入れずにスッとおろしてください。
この体勢がしんどい場合は、体の前に手を置いていただいても結構です。
だいたい15〜20秒ほどキープしてください。
戻すときにも注意が必要です。
急にグッと持ち上げるのではなく、体の下の方から順に上体を起こしていくイメージで、
腰→背中→最後に首、という順番で戻すようにしてください。
たくさん行うと、苦手な方は腰がしんどいなと思われるかもしれないので、だいたい3〜5回を目安にしましょう。
1日3セット(朝・昼・晩)を目標に、ぜひ試してみてください。
・寝転んでできるストレッチ
もう1つ、ベッドで行う方法をお伝えします。
座ってのストレッチが難しい場合や、体に力が入ってしまってうまく行えない方はこちらをお試しください。
①仰向けに寝る
②仙骨(骨盤の真ん中あたり)の下にタオルを丸めて厚みを出したものを敷く
③両膝を抱えるポジションを取る
そうすると腰骨のあたりが少し丸まるような状態になります。
腰が悪い方は朝起きる時にこのストレッチをするのが良いと思います。
お使いの枕などで代用してもらって仙骨の下に置いて、腰を丸めるイメージで膝を抱えましょう。
だいたい20〜30秒ほどこの姿勢をキープしてください。
寝返りで腰が痛んだり、寝た状態での体動で腰痛を感じたりする場合には、
決して無理に行わないでください。
足まわりや膝を動かすことなど、腰以外の場所からゆっくりと動かすようにしていき、
それから腰を丸めるためのストレッチに入っていくようにお願いします。
◯まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回のブログでは、朝起きると腰が痛いという方の腰痛の原因と、
その改善方法について解説させていただきました。
朝起きると腰が痛いという方は、ストレート腰(ストレートスパイン)になっている可能性があります。
今回お伝えした腰の骨(腰椎)の動きが良くなるストレッチを毎日少しづつ行うことで、
今の腰痛が改善できる可能性は高まっていきます。
もちろんこのようなセルフケアだけでは改善できないケースもあると思いますので、
その場合はお近くの専門機関や治療院などにご相談されることをおすすめします。
また、当院でもこういった症状の治療を行っていますので、
お近くでお困りになっている方はぜひご相談ください。
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(監修 柔道整復師 鍼灸師 石田将太郎)