ある女性患者さんから、

スーパーマーケットで勤務されているご主人さんの腰痛のことで相談を受けました。

 

病院でレントゲンを撮った後にお医者さんから、

 

「ヘルニアですね。これは仕方ないです。ひどくなったら手術しましょう」

「痛みが落ち着くまではお仕事を休むか、極力控えるようにしてください」

 

そのようにお話をされ、湿布と痛み止めをたくさんもらって帰って来たとのことでした。

さらに詳しく伺っていくと、

 

「ヘルニアって足が痺れたりして、主人には悪いけどもっと大変なものかと思っていた」

「でも、主人の腰痛には湿布や痛み止めが効いていないように感じるんです」

 

病院のレントゲン撮影でヘルニアと診断され、湿布と痛み止めを処方されたのち、

安静と仕事のセーブを指示されたものの、1カ月しても腰痛があまり改善していないとのこと。

さすがに心配になり、私にご相談くださったという経緯でした。

 

ご主人さんはスーパーの責任者という立場で、臨機応変になんでもこなす役どころ。

一日のほとんどは立っていて、棚卸しや荷物の運搬など、力仕事は率先して行う。

 

ところが、半年ほど前から立ちっぱなしの時間が続くと腰痛を感じるようになり、

1ヶ月前から痛みがひどくなって、仕事に支障を感じるようになったので病院に行かれたと伺いました。

 

皆さんの中にも、このような経緯のある方や、

ご家族やお知り合いの中に、同様のお困りを抱えられている方がおられませんか?

 

今回のブログは、

レントゲン検査によってヘルニアが原因の腰痛と診断があり、

手術以外の改善策をお考えの方にぜひ一度ご覧いただきたい内容となっています。

 

お悩みの方の参考になりましたら幸いです。

 

 

◯はじめに

 

こんにちは。

愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を開業しています、

院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。

 

この度のブログの内容は、

腰痛にお困りで、病院に行ったらヘルニアと診断された方のお困り解消に向けた記事となっています。

 

・手術しか腰痛を治す方法はないとお医者さんに言われた

・コルセットをしてだましだましやるしかない

・一度痛みだすと1週間はまともに仕事ができない

・立ち仕事や重い荷物を持つ作業が以前のようにできなくなった

 

そのようなお悩みがございましたら、この度のブログがお役に立てるはずです。

また、ヘルニアと腰痛の関係性には一般的には知られていない秘密があります。

そういった内容にも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

◯ヘルニアはレントゲンではわからない?

 

ヘルニアは背骨と背骨の間にあるゼリーのようなクッション材(椎間板)が、

なんらかの理由で飛び出てしまった状態をあらわします。

(飛び出しの程度によって、脱出と突出という区別があります)

ちなみに飛び出た椎間板ですが、血管の中の細胞(貪食細胞)の働きによって、

ほとんどが2〜3ヶ月で消えてなくなります。

 

極端な言い方ですが、よほど耐えがたい症状でない限り、

3ヶ月もすればヘルニアに関連した症状は自然に治っていくと言われています。

 

しかし、ここに落とし穴があります。

実は、レントゲン検査はヘルニアに対する診断価値が低く、

“椎間板ヘルニアや椎間板変性には、MRI検査が最も優れた画像診断法”とされています。

 

お医者さんにもなんらかの事情があるのでしょうが、

もしレントゲンを撮って「ヘルニアですね」と言われても、

そのまま鵜呑みにしないほうが、手術以外の方法で腰痛を改善できる可能性が高くなると考えています。

 

当院にも同じ経緯で治療に来られた方がおられますし、

「手術しなくてよかった」

「ヘルニア一歩手前(先述した突出の状態)と言われていたけど、整体と鍼治療で良くなった」

このようなお声を実際にいただいております。

 

また、1994年に行われた医療実験での報告では、

腰痛の自覚がない人の52%がMRI検査で椎間板の膨らみが発見された

 

さらに日本医事新法社の電子コンテンツにはこう記載されています。

MRIで見られる椎間板膨隆の30%は無症状である

(参考:日本医事新報社:腰椎椎間板ヘルニア|電子コンテンツ

 

ですので、もしもレントゲンを撮ってから「ヘルニアですね」と言われた場合は、

手術の選択を早まる必要はないと考えています。

 

その後2〜3ヶ月しても変化がない、またはひどくなる一方という場合には、

あらためて受診する、もしくは、MRI検査を希望するようにされるといいはずです。

 

 

◯ヘルニアではない腰痛の原因とは

 

先に少し触れさせていただきましたが、

当院にもレントゲンヘルニアの腰痛患者さんが数名ご来院されています。

その方々を治療する中から、ある共通点を発見しました。

 

それは、

①お尻の外側の筋肉

②太ももの裏からふくらはぎまでの筋肉

③脇腹(わきばら)や腹筋の外側の繊維

これら3つの筋肉や部位が緊張して硬くなり、さらに左右差が大きくなっているという点です。

 

実は、これらの原因の多くは立っている時の姿勢にあることがわかっています。

簡潔にいうと、片足に体重(重心)を乗せた立ち方がクセになり、

長い時間をかけて、骨格や筋肉に負担が蓄積した状態と考えています。

 

つまり、姿勢が悪くなることが原因でつらい腰痛が現れています。

しかしながら、姿勢が悪いと言われても、ピンと来ない方もおられるはずです。

 

では、姿勢が悪い=まっすぐ立てていないと考えてください。

まっすぐ立てていないということは、坂道の途中で立っていることと同じ意味合いになります。

 

 

つまり、倒れてしまわないように体のどこかが踏ん張って、力が入りっぱなしになっています。

そのような状態が続くと、やがて硬く緊張した筋肉や体の場所が、先述の①〜③として現れています。

 

紹介した当院の患者さんも立ち仕事の方が多く、姿勢の悪さや片足重心になる習慣を自覚されていました。

そして、ほとんどの方が腰痛を解消されることに成功されています。

 

 

 

◯腰痛のレッドフラッグについて

 

ここまでの内容で、少し安心していただけた方もおられるかもしれません。

自己流の腰痛対策で乗り切ろうかな、とお考えの方もいらっしゃるでしょうか。

 

しかしながら腰痛には、

レッドフラッグと言って、命を脅かす何かが隠れているケース、緊急処置を要するケースがあります。

 

例えば、

・ガンの放散痛

・悪性腫瘍の骨転移

・膀胱炎、腎臓病の関連

・神経損傷による排尿障害

確率としては高いものではありません。ガンや腫瘍によるものは全体の1%ほどと言われています。

 

ですが、自覚できる症状や違和感として、

・安静にしていてもひどく痛む

・脇腹やウエストあたりに感じる表現しがたい違和感

・発熱を伴う(38℃近い熱またはそれ以上)

・おしっこが出にくい

腰痛と合わせ、こういった身体状況が出現してきた場合には、早急に病院や専門機関へ受診ください。

当院でも検査をおおなっておりますので、判断しかねる際にはお問い合わせください。

 

↓詳しく知りたい方はこちらから。

腰痛のレッドフラッグ:J-stage腰痛診療ガイドライン2019より参照

 

 

 

◯パート②へ続きます

 

ここまでご覧いただきありがとうございました。

 

この度のブログでは、レントゲンを撮った後にヘルニアと診断された腰痛について、

実際の研究論文や私の臨床経験をもとに書かせていただきました。

 

・レントゲンではヘルニアの確定診断はできない

・ヘルニアと診断された時の心の持ちよう

・手術の選択について

・腰痛でヘルニアと診断された人に多い身体の傾向

 

そういった内容をメインに書かせていただきました。

 

次回パート②では、このような腰痛に向けた対策と解消法をお伝えしていきます。

立ち仕事で腰痛にお困りの方はもちろん、腰だけでなくお尻や股関節の痛み、坐骨神経痛にお困りの方、

姿勢が悪くて気になっている、そのようなお悩みの方にもきっとお役に立てる内容です。

 

ぜひご覧になっていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

(監修  柔道整復師 鍼灸師 石田将太郎)

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