「子どもの引越しを手伝ってから腰痛がひどくなった」
「重たいものを持ち上げることが多いとすぐに腰にくる」
最近当院には、引越しのお手伝いをされてから腰痛にお困りになった患者さんが増えています。
ご自身の引越しではなく、進学や就職をされるお子さんの引越しを手伝ってから腰が痛むようになり、
次第に日常生活にも支障をきたし、ずいぶんお困りになられていました。
さらにお話を伺うと、
「朝の洗面も一苦労だし、一向に良くならない」
「湿布が効いたのは最初だけで、このままほっておいてぎっくり腰にならないか心配です」
そのような不安をお話しくださいました。
お子さんのお引越しが済んだ矢先、感傷に浸る間もない出来事だったと思います。
こんにちは。
愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を開業しています、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
この度のブログでは、引越しに関する腰痛について記事にしました。
引越しやそのお手伝いをしている途中から腰が痛くなった、または終わってから腰痛がひどくなってきた。
そのようなお困りの方にはとても有益な内容となっています。
お時間の許す際に、ぜひご覧になってください。
◯引越しに関係する腰痛の共通点とは?
当院では治療前に必ずお体のチェックをします。
その中で、引越しに関係する腰痛患者さんには特徴的な共通点がありました。
それは、上体を反らす動きをしていただくと、
動きの幅に制限がかかっていて、無理をすると痛みを再現するようになっていることでした。
下の画像は治療前(Before)と治療後(After)の変化の様子です。
治療前の様子では、体を後ろへ反らせる動きに対して制限がかかっていることがわかると思います。
実際に患者さんからも、
「イタタタタ…思ったよりも全然後ろにいかない」
そのようにお声が漏れていました。
このような様子は、
・背すじを伸ばすことがしにくくなっている(真っ直ぐに立てない・座れない)
・上体をかがませた姿勢から起こす、または、しゃがみこんだ状態からの立ち上がりが億劫になる
そういった身体状況を表しています。
日常生活の中での影響は、
・正しい姿勢を維持できないために体がゆがんだり傾いてしまうため、体のどこかが常に踏ん張っている
・物を拾った後や、うつむいた姿勢から体勢を戻す動作が負担になる
・洗面時の姿勢維持やもろもろの動作、椅子や便座での立ち座り、車の乗り降りなどがしにくくなる
このようにあらゆる場面に支障が及ぶようになります。
いつも何気なく行っている動作が負担になっていくので、腰痛が改善しにくいことにも納得してしまいます。
◯湿布はもういらない!引越し腰痛を改善するキーポイントとは?
こういった支障の原因には、
①背骨を支えるための背中の筋肉群
②骨盤や股関節を構成するお尻の筋肉
③太ももの裏の筋肉
これら3つの筋肉が同時に疲労していることがわかりました。
疲労した筋肉は硬く緊張しているため、柔軟性が低下しています。
つまり、筋肉がスムーズに伸び縮みできなくなっている状態となり、
やがて体の動き幅の制限となって現れます。
また、患者さんからは、
「湿布を貼って多少良くなったけど、そこから変わらない」
このようなご相談を受けます。
一体これはどういうことなのでしょうか。
湿布には抗炎症作用があり、炎症(体に起こる火事のようなもの)が原因の痛みには効き目があります。
炎症は大抵の場合、なんらかの受傷があってからおよそ3日〜1週間の間に起きる反応です。
つまり、痛みの出だしなど症状の初期には湿布の効果を感じやすいはずです。
引越しで重たいものを何度も持ち上げたり、移動させたり、
はたまた長時間の運転があったりすることで筋肉にダメージが蓄積します。
そういったダメージの蓄積によって筋肉が傷付くと、やがて炎症が起きることがありますが、
このような場合は湿布が効果を発揮するタイミングと考えています。
しかしながら、
「湿布を貼り続けているけれど、腰痛が1週間経ってもさほど変化しない」
そういった場合には、
先述の①〜③の筋肉をケアしていくことで、辛い腰痛が改善される可能性が高いと考えています。
◯引越し後の辛い腰痛を改善するためのストレッチを3つお伝えします
さっそくですが、3種類のストレッチをご紹介します。
簡単なストレッチばかりですから、まずはお風呂上がりに10分ほどの時間を使って初めてみましょう。
ストレッチはひとつに対して20秒×左右、1日に3〜5回を目指しましょう。
特にお風呂上がりと寝る前のタイミングはより効果が高まりますのでおすすめです。
①お尻の後ろ側のストレッチ
②太ももの裏〜膝裏やふくらはぎのストレッチ
※画像では右側を主体にしていますが、両方とも実施しましょう。
③背中や脇腹あたりのストレッチ
実は、骨盤や背骨からはじまり、腕の骨にたどり着く筋肉があります。
姿勢をかがめたまま、あるいは中腰のまま重い荷物を持つことでその筋肉には大きな負荷がかかります。
広背筋(こうはいきん)という筋肉ですが、腰痛とは切っても切り離せない関係の筋肉です。
広背筋をストレッチし、筋肉の柔軟性を高めることで腰痛の早期改善が期待できます。
1.左腕を天井方向に伸ばし、右手で左肘あたりをつかみます
2.背すじを伸ばし、そのまま右側へ上半身を倒していきます
3.右手は左腕の延長方向+右方向へアシストするように引くとよりストレッチがかかります
4.さらに、左ワキや肩甲骨あたりを反対の左側へ突き出すようにするとストレッチの強度が増します
3と4に関しては決して無理をしないようにしてください。まずは1〜2までをジワ〜っと行いましょう。
※画像では左側をストレッチしていますが、両方とも実施してください。
◯まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
この度のブログでは、引越しに関係した腰痛に対する内容を書かせていただきました。
・引越しに関係する腰痛の特徴や共通点
・湿布の効き目が弱い場合の原因と対策
・長引く腰痛の改善に向けたストレッチの紹介
このようなポイントを中心にまとめさせていただきました。
ご自身の引越しや他者の引越しを手伝ってから腰の調子が悪い、腰痛がひどくなった、
そのようにお困りになられている方に向けて、少しでもお役に立つ内容となっていれば幸いです。
しかしながら腰痛は原因がひとつではないことの方が多いことも事実です。
今回ご紹介させていただいたストレッチを継続したけれど、
「それでも一向に良くならない」
そのような場合ももちろんあるはずです。
そういった場合には、他の原因を探り、適切な治療を受けていただくことが最善です。
当院でもお力になれることはたくさんありますので、
お困りの場合には、ぜひ一度ご相談ください。
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(監修 柔道整復師 鍼灸師 石田将太郎)