「朝、ベッドから降りた最初の一歩で、かかとから足の裏がズキッと痛む…」
「車から降りて、地面に足を着いたその瞬間に鋭い痛みが走る…」
「両手に荷物を持って歩くと、足の裏がじんわり痛くなってくる…」
そのようなお悩みはありませんか?
歩き始めてしばらくすると痛みが和らぐから、「そのうち治るだろう」と様子を見ている方も多いと思います。ですが、気がつくと痛む場面が少しずつ増えている。そういったご相談をいただくことがあります。
今日は、朝の一歩目の痛みから始まった足底筋膜炎のお話です。

朝の一歩目の痛み、そのままにしていませんか
こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
この記事をご覧のあなたはもしかしたら、これまでに多くの情報を調べた先に、このブログにたどり着かれたのではないでしょうか。ご存じになられているかもしれませんが、足底筋膜(そくていきんまく)とは、かかとの骨から足の指の付け根に向かって、足の裏に扇のように広がっている膜のことです。土踏まずのアーチを下から支える、弓の弦のような役割をしています。
この足底筋膜のあたりに痛みが出るのが、足底筋膜炎(足底腱膜炎とも呼ばれます)です。一般的には、朝起きてすぐの一歩目や、座っていた後の歩き出しに痛みが出やすく、歩いているうちに少し楽になる、という特徴があると言われています。
「歩いているうちに楽になるなら、大したことはないのでは?」
そう思われるかもしれません。ですが、今日ご紹介する方は、最初は朝だけだった痛みが、仕事の場面にまで広がっていきました。
足の裏が痛くなると、靴の中敷きを替えてみる、足の裏を伸ばしてみる、湿布を貼ってみる。こういった対処を試された方も多いと思います。
でも、「痛いのは足の裏だから、足の裏だけをなんとかすればいい」って正解なの?そう思いながら、セルフケアを熱心に頑張っているけれど、一向に良くならないケースが比較的多いように思います。
ご紹介となりますが、当院のYouTube動画では、足底筋膜炎とふくらはぎの奥にあるヒラメ筋との深い関係や、外からの刺激に頼るセルフケアではなく、体が持って生まれた仕組みを使って内側から回復していく考え方をお話ししています。足の裏の痛みであっても、足の裏だけを見ていては見えてこないものがある。今日ご紹介する方のお話も、まさにそういった例でした。
50代男性・小型トラックで働く方のお話
当院に来られた、50代の男性のお話です。
お仕事で小型のトラックに乗っておられ、一日のうちに何度も運転席への乗り降りを繰り返す、乗り降りの頻度がとても激しいお仕事です。趣味はテニスでしたが、ここしばらくはテニスをしなくなっていて、ご自身でも運動不足を気にされていました。

朝だけだった痛みが、少しずつ広がっていった
最初は、朝の一歩目が痛むところから始まりました。
それがやがて、トラックから降りて地面に足を着く、その接地の瞬間にも痛むようになってきました。
さらに、両手に荷物を持って運ぶときにも、痛みを感じるようになってきたそうです。
朝の一歩目、乗り降りの着地、荷物を持っての移動。どれも、お仕事の中で避けては通れない場面です。痛みが「朝だけのもの」から「仕事中ずっとつきまとうもの」へと変わっていったのです。
通院を振り返って、このように話してくださいました。
「仕事に差し支えるようになってきていたから、思い切って通うようにしてよかったです。治りにくいと聞いていたから、真面目に治療をしようと覚悟はできていました。」
こういったご意見を頂いております。
「治りにくい」と耳にしていたからこそ、最初から腰を据えて取り組もうと決めておられたそうです。
痛いのは足裏でも、見ていくのは「土台」と「つながり」
足の裏が痛いと、どうしても足の裏そのものに目が向きます。
ですが当院では、痛みが出ている足裏だけでなく、その足裏を支えている足の骨組み(土台)と、ふくらはぎ・膝・股関節といった体のつながりを見ていきます。この方に行ったのは、主に次の4つです。
足部後方の骨組み(立方骨・舟状骨・踵骨)とアーチの補正
まずは、足の後ろ半分の骨組みです。
- 踵骨(しょうこつ):かかとの骨
- 立方骨(りっぽうこつ):かかとの骨の前、足部の中央外側にある骨
- 舟状骨(しゅうじょうこつ):足の内側、土踏まずの少し後ろあたりにある骨
この3つは、足のアーチ(土踏まずなどの弓なりの形)の土台になっている骨です。家に例えるなら、柱を支える基礎の部分にあたります。
この方には、立方骨・舟状骨・踵骨を中心とした足部後方の骨組みの調整と、アーチの補正を行いました。足底筋膜は、かかとの骨から足の指の付け根へと張っている膜ですので、その付け根であるかかとまわりの骨組みが整っているかどうかは、足底筋膜にかかる負担とも無関係ではないと考えています。
ヒラメ筋と後脛骨筋の力と瞬発力の回復
次に、ふくらはぎの奥にある2つの筋肉です。
- ヒラメ筋:ふくらはぎの深いところにある筋肉。アキレス腱となって、かかとの骨(踵骨)に付いています。
- 後脛骨筋(こうけいこつきん):すねの骨の奥を通り、足の裏の内側に付いている筋肉。土踏まずを内側から引き上げるように支えており、舟状骨に付着します。
冒頭でも触れたように、足底筋膜炎とヒラメ筋には深い関係があると考えています。ヒラメ筋はかかとの骨につながっていますので、足の裏の膜とは、かかとをはさんで骨組みを引っ張り合うような位置関係にあります。
この方には、ヒラメ筋と後脛骨筋のコンディショニングを行い、本来の働きを取り戻せるように整えていきました。
股関節・膝・足首の「トゥーアウト・ニーイン」の理解と修正
3つ目は、足から離れて、脚全体の使い方です。
トゥーアウト・ニーイン(ニーイン・トゥーアウト)とは、つま先が外を向き(トゥーアウト)、膝が内側に入る(ニーイン)形のことです。股関節・膝関節・足関節は、ひとつのセットとして動いています。一般的には、このセットの組み合わせが崩れて、つま先は外向き、膝は内向きという形になると、足の内側のアーチにも負担がかかりやすくなると言われています。
足の裏は、脚全体の一番下で体重を受け止めている場所です。上からの力のかかり方が変われば、足の裏の負担も変わってきます。この方には、股関節・膝関節・足関節のセット関係性が崩れたトゥーアウト・ニーインの改善に取り組みました。

つま先立ちで見える足首の働きの低下を回復
4つ目は、足首の働きです。
この方の場合、つま先立ちをしたときに、左右の足裏の見え方が大きく違っていました。つまり、足首の働きが落ちていることがわかったのです。つま先立ちは、ふくらはぎから足首、足の裏までが一緒に働いて、はじめてきれいにできる動きです。
トラックから降りるときの着地や、荷物を持って踏ん張るとき。どちらも、足首がしっかり働いて衝撃や重さを受け止めてほしい場面です。この足首の機能低下を回復させることも、施術の柱のひとつとなりました。
通院の流れ
この方の通院は、全体で2〜3か月ほどでした。
- 1回目〜3回目:3〜4日おき
- 4回目〜6回目:1週間に一度
- 7回目:6回目の2週間後
- 8回目:7回目から3週間空けて
- 9回目:8回目から1か月空けて
最初は間隔を詰めて通っていただき、体の状態に合わせて、少しずつ間隔を空けていきました。
そして、この方は趣味のテニスを再開されるようになりました。運動不足を気にされていた方が、もう一度コートに立てるようになったんです。
※効果の感じ方には個人差があります。同じ経過をお約束するものではありません。
日常で気をつけてほしいこと
施術と並行して、この方には日常の動作についてもお伝えしました。
トラックの乗り降り
痛みが広がるきっかけになっていたのが、トラックから降りて足を着く瞬間でした。乗り降りの回数が多いお仕事ですので、一回ごとの負担は小さくても、積み重なれば足の裏にとっては大きな負担になると思います。
この方には、トラックへの乗り降りの注意点をお伝えしました。乗り降りの多いお仕事の方は、体の状態によって気をつけたいポイントが変わっていきますので、気になる方は来院の際にお気軽にお尋ねください。
歩き出しの足を逆にする
もうひとつは、歩き出しなど、動き始めるときの一歩目(始動脚)を逆にするという動作指導です。
あなたは、歩き出すときにどちらの足から出しているか、意識したことはありますか?
普段はほとんど意識していないと思います。この方には、いつも最初に出している足とは逆の足から動き始めるように、日常の動作をお伝えしました。
大切なポイントの一つは、痛みを避ける工夫をすることです。一歩目に、痛む側の足へ体重が乗る(荷重足になる)ことで痛むようであれば、反対の足から出すほうがいい。この方にも、そのようにお伝えしました。
以前、坐骨神経痛の記事でも、「歩き出しは、症状のない側の足から」という工夫をご紹介しました。動き出しの一歩目は、痛みのある場所を刺激しやすい場面です。その一歩目をどう出すかを変えるだけでも、体への負担のかかり方は変わってくると考えています。日常生活上の注意事項には共通がありますから、ぜひ合わせてご覧ください。
▼ 梅雨どきから初夏のお尻の痛み・坐骨神経痛|家でできる対処法と、やってはいけないこと
https://ishida-saijo.com/坐骨神経痛/archives/6950
「治りにくい」と言われる足の痛みでも、一度ご相談ください
朝の一歩目の痛み。車から降りて足を着く瞬間の痛み。荷物を持って歩くときの痛み。
足底筋膜炎は「治りにくい」と言われることがあります。どうしても休ませる(足を地から離しておけない・使わないわけにいかない)ことができないですからね。
今日ご紹介した方も、そう聞いていたからこそ、覚悟を決めて通ってくださいました。そして、痛む足の裏だけでなく、足の骨組み、ふくらはぎ、膝や股関節とのつながりまで見直していくことで、テニスを再開されるまでになりました。
当院のYouTubeでは、外からの刺激に頼るのではなく、体が持って生まれた仕組みを使って、内側から足底筋膜炎を回復していくためのセルフケアをご紹介しています。
- 足首のタッピング運動
- 朝のカーフレイズ
YouTubeで「いしだ鍼灸整骨院 足底筋膜炎」と検索してみてください。ご自宅で取り組めるセルフケアをご紹介していますので、あわせてご参考にしていただけたらと思います。
痛む場面が少しずつ増えてきた、お仕事や趣味に差し支えるようになってきた、という場合は、一度当院へご相談ください。足の裏だけでなく、体のつながりから原因を探していきます。
お仕事も、趣味の時間も、足の痛みを気にせず過ごせるように。お悩みを解決できるよう、お手伝いいたします。
ご相談は、お電話・Web予約・LINEからお受けしています。




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