「ゆっくり走ると左側の足の裏が痛みます」

 

「ウォーミングアップや軽いジョギングの時に足裏が刺すように痛む」

 

「メインの練習では感じないのに、インターバル走の間や練習後のクールダウンの時に足の裏が痛む」

 

これらは、40代男性の社会人ランナーさんからのお話しです。

お困りの内容は、スピードを上げて走ると大丈夫なのに、ゆっくり走ると足の裏に痛みを感じる。

痛みによるお困りもさることながら、「どうしてなんだろう?」という疑問も大きくなられていました。

 

さらに詳しく伺っていくと、

 

「思うようなウォーミングアップができないままメインの練習に入るので、練習効率が悪い」

 

「所属しているチーム練習の時には、皆よりもずいぶん早くアップを始めるようにしているので時間調整が大変」

 

「練習の翌日は歩いても痛むようになってきた」

 

このように、足裏の痛みが原因で様々なお困りを抱えるようになっていたとお話しくださいました。

もしかしたら、同じようにお困りの方がおられるかも知れません。

 

今回のブログでは、ゆっくり走った時に感じる足裏の痛み、

足底腱膜炎(足底筋膜炎も同義)に関する原因と対策について、

改善事例をもとに解説しています。

 

 

◯はじめに

 

こんにちは。

愛媛県西条市でいしだ鍼灸整骨院を開業しています、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。

 

今回のブログでは、

社会人マラソンランナーであるKさん(40代男性)が抱える「ゆっくり走ると感じる足裏の痛み」の治療を実例に、

マラソンランナーの足底腱(筋)膜炎の原因や対策方法をご紹介します。

 

実はブログを書いたきっかけが二つあります。

一つ目は、マラソンシーズンに入り、競技会に向けた練習の中で怪我をされるランナーさんが増えるのですが、

足の裏の痛みを訴える方が多いことを感じるようになったことです。

 

そして二つ目に、「ゆっくり走ると足の裏に痛みを感じる」というお困りについて、

私も過去に経験したことがあり(陸上競技部に所属していました)、人知れず困っていたことを思い出しました。

そういったこともあり、どうしても他人事とは思えなくなったのです。

 

そして、もしかしたら同じような条件で足底腱膜炎にお困りの方がおられるかもしれないと思い、

ブログを書くことを決めました。

 

結論からお伝えすると、Kさんの足裏の痛み(足底腱膜炎)は結果的なものです。

つまり、原因が足の裏ではないところにあったため、体全体に目を向けることで本当の原因がわかりました。

 

そういったことから、もし同じようなお困りの方がおられれば、

このブログを参考にしていただくことでお困りの解消に結びつくのではないかと考えています。

ゆっくり走ると足裏が痛むという方は、ぜひ最後までブログをご覧ください。

 

 

◯ゆっくり走ると足の裏が痛む原因とは

 

早速ですが、Kさんの左側の足裏に現れた痛みの原因は、同じく左側のお尻の筋肉にありました。

実際に痛みを感じている足裏には、足底腱膜炎(足底筋膜炎)が起きていたことも事実です。

ですが、足底腱膜炎を引き起こす原因は、お尻の筋肉、特に大殿筋(だいでんきん)にあることがわかりました。

 

実のところKさんは、当院に来られるまでに違う治療所に通われていました。

2ヶ月ほど通われたものの経過が思わしくないことから、ご紹介で当院を受診されました。

 

他院でも足裏への治療をされていたことから、原因が他にあると思い、お体をくまなくチェックしました。

すると、左側の大殿筋の力が弱くなっていることがわかりました。

大殿筋の働きは、走る上で推進力を生むために欠かせないものとなります。

 

 

このことから私は、左脚での蹴り出しがうまくいかず、

推進力を生むために足部(足首や足指)に頼る傾向があるのではないかと考えました。

 

大袈裟に言うなら、足で地面を引っかくような動作が強くなっていたのではないかと推測したのです。

その結果、足底の筋肉や腱を過剰に使うようになるため、やがて足裏に痛みを伴うようになったのではないか?

そのように考察しました。

 

さらに、ゆっくりと走るためには、片足で接地している時間が長くなります。

つまり足底への荷重時間が長くなるのですが、ただでさえ大殿筋の機能低下によって推進力が低下しているため、

片足に体重が乗る時間がより長くなるため、Kさんの左足にはより大きな負担がかかるようになっていたのです。

 

その後、実際にKさんが走っている姿を動画で見ることができたのですが、

やはり右脚よりも左脚のストライドが小さいことを確認できました。

 

そのことから、足底腱膜炎の治療と大殿筋の機能を高める施術を並行するようにしました。

Kさんの左足裏の痛みは少しずつ改善し、1ヶ月ほどでゆっくり走っても足裏の痛みを感じることもなくなりました。

 

さらに、治療期間中のランニングでは、走行前にある取り組みを行っていただきました。

その取り組みを欠かさずに継続していただいたことも、改善をアシストしていたと考えています。

 

もし症状の初期段階であれば、この取り組みを行うだけでも、

「ゆっくり走ると感じる足底腱膜炎」を解消できる可能性は高いと思います。

難しいことではないので、せっかくですからご紹介させていただきます。

 

 

◯ゆっくり走ると感じる足底腱膜炎を解消する取り組みとは

 

ここからは、Kさんに実践していただいた取り組みを4つご紹介していきます。

全て大殿筋に対するアプローチですが難しいものではありません。

日々の取り組みとしてももってこいですから、ぜひ実践していただきたいと思っています。

 

①大殿筋のストレッチ

大殿筋の柔軟性を確保し、筋肉の疲労を回復させるために行います。

実施のタイミングですが、日々のランニングや練習の後に行っていただきます。

日頃デスクワークをされる方であれば、入浴後や就寝前に行うこともおすすめです。

座りっぱなしで硬くなったお尻の筋肉(大殿筋)のケアを行いましょう。

 

②大殿筋の収縮刺激

大殿筋を意図的に収縮させるように刺激を繰り返します。

具体的には、片足での細かいジャンプ動作の反復や、レッグエクステンションなどがおすすめです。

刺激によって筋肉の働きを活発にしてからランニングを始めていただきたいと思います。

実施のタイミングはウォーミングアップの直前です。大殿筋の力を発揮する状態にしておきたいからです。

 

③大殿筋のタッピング

大殿筋を小刻みに叩いて刺激します(1秒間に5回程度のリズムで、お尻の後ろ側を満遍なくタップする)。

こちらも②と同様にウォーミングアップの前に行っていただきます。

ランニングや練習中であれば、レスト終わりのタイミングや、次のセットが始まる直前にもおすすめです。

刺激によって筋肉の働きを活発にし、大殿筋による推進力を高めます。

 

④ワンレッグでのスクワットやランジ系のトレーニング

もしも片側の大殿筋が筋力低下を起こしている場合には、

意図的に問題側の筋力アップを目指してトレーニングをしていきます。

足底腱膜炎の起きている側の殿部が小さくなっているようであれば、

トレーニングの必要性を有する場合が多いと感じています。

 

(実際にKさんにも上記①〜③の取り組みを継続していただきましたが、

④については当院に受診された際に必要性を感じませんでした)

 

取り組んでいただいた内容についての解説は以上になります。

先述のとおり、これらは直接的な足裏の痛みへの直接アプローチではありません。

 

というのも、足底腱膜炎は字の通り炎症を起こしている状態です。

言い表すなら、足裏の筋肉や腱に火事が起きたとイメージしてください。

 

ですから、大殿筋への取り組みと足裏の炎症に対する消炎処置とをバランス良く実施する必要性があります。

特に慢性化した足底腱膜炎であれば、消炎への対処は簡単ではありません。

 

ここまでセルフケアについてのお話をさせていただいた上ではありますが、私の過去の治療経験から、

足底腱膜炎の早期改善には、セルフケアだけでなく専門院での治療を併用することをおすすめします。

 

(※④に関しては、極端な筋肉の痩せや触覚の低下などがある場合に、

腰や骨盤から出発する神経の影響を受けているケースがあります。

鑑別には専門的な検査が必要ですから、

お近くの整形外科や国家資格を持つ施術者のいる専門施設を受診いただくことをおすすめします)

 

 

 

◯まとめ

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回のブログは社会人ランナーの足裏の痛みについて、実例をもとにまとめました。

特に「ゆっくり走ると感じる足底の痛み」について原因と対策をご紹介させていただきました。

 

痛みを発しているのは「足底腱(筋)膜炎」という足の裏にある腱や筋肉に起きた炎症でした。

そのため足裏に症状を感じていることは事実です。

 

ですが、その原因は大殿筋というお尻の筋肉にあることがわかり、

足底腱膜炎の治療と大殿筋のコンディショニングを並行することで、早期の改善に向かうことができました。

 

ブログ内では、Kさんという40代男性の社会人ランナーの実例を紹介しており、

Kさんに実施していただいた大殿筋に対するセルフケアもご紹介しました。

 

もし、Kさんと同様に「ゆっくり走ると足裏が痛む」というお困りがあるようでしたら、

ブログ内で紹介している取り組みを実践していただきたいと思います。

 

しかしながら、足底腱膜炎は程度によっては難治を極めます。

今回はお尻の筋肉に原因があった症例をご紹介しましたが、足首のトラブルに起因した足底腱膜炎、

ふくらはぎの筋肉に原因があった足底筋膜炎など、原因は一つではないことも知っていただきたいです。

 

つまり、原因の特定が大切なんです。

ですので、長引く足底の痛み、慢性化した足底腱膜炎(または足底筋膜炎)にお悩みの場合には、

やはり専門の治療機関への通院をおすすめします。

 

また、当院でも足底腱膜炎やランナーの身体ケアについては専門分野としています。

特に、先述の消炎治療(炎症に対する治療)には当院の微弱電流療法が大変効果的です。

専用の治療機器を用いる施術所については、国内では当院を含めて限られています。

足底腱膜炎にお困りであれば、ぜひ一度当院へご相談ください。

 

さらに、私自身の陸上競技経験や現役の陸上指導者との連携もあり、

競技パフォーマンスの向上、シューズの選択についてのアドバイスなどもしています。

お近くにお住まいの方でお困りがあるようでしたら、遠慮なく当院をご利用ください。

 

最後になりましたが、足裏の痛みの解消に向けて、今回のブログが少しでもお役に立てていれば幸いです。

そして、充実したマラソンライフ、スプリントライフを送っていただけるよう心より祈念いたします。

 

 

◯当院の詳細について

 

完全予約制・自費診療専門の鍼灸整骨院です。

 

※施術料金

初回:12,800円(税込)

2回目以降:9,800円(税込)

 

いしだ鍼灸整骨院

 〒799-1353 西条市三津屋南9-3
ホワイトコート三津屋G号

0898-64-2633

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〈診療時間〉
月・火・水・金曜日
9:00-20:00
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もっと当院について知りたい方は、当院ホームページをご覧ください。

患者さんの声などもご紹介させていただいております。

 

 

 

 

 

 

(柔道整復師・鍼灸師 石田 将太郎 監修)

 

 

 

 

 

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