ぎっくり腰の予防には、日常生活に少しの工夫を!

 

こんにちは。

愛媛県西条市で「いしだ鍼灸整骨院」を開業しています、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。

 

朝晩の冷え込みがぐっと厳しくなるこの季節。

当院には、「動けないほどのぎっくり腰」「背中が痛くて息もできない」

こう言ったお困りでご来院される方が一気に増えていきます。

 

実は私自身も、ぎっくり腰の経験者です。

洗面台で屈んだ瞬間に“ピキッ”…。

その場から動けず、どうしていいのか分からず、本当に心細い想いをした経験を今でも覚えています。

 

患者さんから、

「くしゃみ一つで動けなくなった」

「一人暮らしで助けも呼べず不安で泣きそうだった」

そのようにお聞きすると、まるで自分のことのように胸が締めつけられます。

 

中には、ご主人さんに抱きかかえられて来院された方もおられました。

ぎっくり腰は、一瞬であなたの生活を一変させてしまう身体トラブルです。

だからこそ、痛くなる前の “予防” が何より大切 なのです。

 

今回の記事では、当院で実際にお伝えしているセルフケアと、

現場で見えてきた “ぎっくり腰を引き起こす要因” を、できるだけ分かりやすく解説していきます。

ぜひ冬の間だけでも、体を守る意識を高めていただければと思います。

 

 

なぜ冬に「ぎっくり腰」が急増するのか?

 

まず知っていただきたいのは、冬は体の反応速度が落ちる季節だということ。

寒さを感じると、体は自然と“守りの姿勢”を取ります。

その結果、

・筋肉が縮こまる

・関節の動きが小さくなる

・感覚と実際の動きにズレが出る

という状態になります。

 

本人は「いたっていつもどおり」「普通に動かしているつもり」でも、実際はスムーズに動けていないのです。

このズレが、ぎっくり腰の大きな引き金になります。

 

特に危険なのは日常の“何気ない動作”。

・上の棚に手を伸ばす

・ちょっと屈む

・床の荷物を取る

こうしたいつもの動きが、冬場はリスクへと急変します。

 

さらに、寒さで硬くなるのは背中やお尻・太ももといった 大きな筋肉。

広背筋・大殿筋・ハムストリングスなど、大きくて力のある筋肉ほど、冷えると縮こまりやすい特徴があります。

 

そしてこの大きな筋肉たちが一同に硬くなると、

その負担は“腰一点”に集中し、ぎっくり腰やぎっくり背中を誘発します。

 

良くも悪くもまさに「大は小を兼ねる」。

大きな筋肉を柔らかく保つことこそ、予防のカギです。

 

 

冬のぎっくり腰を防ぐために今日からできること

 

ここからは、当院がおすすめするセルフケアを厳選して紹介します。

実際に患者さんへお伝えし、高い効果がある上に、どなたでも簡単にできる方法だけをまとめています。

長く続ける必要はありません。「寒い時期だけでも」取り入れてみてください。

 

ポイントは、冬場は “意識的に運動強度を上げる” ことが大切

 

① 速歩き+1分間運動で体を温める

・いつもより速足で歩く

・大股で歩く

・階段を一段飛ばしで上がる

これだけでも体温が上がり、筋肉の可動域が広がります。

 

さらにおすすめなのが

「腕振り運動」+「極浅スクワット」。

どちらも1分行うだけで全身がポカポカ温まります。

 

▶ 腕振り運動のやり方

→その場で腕振り運動を1分間続けましょう。

⒈腕を体に沿わせ、軽く握った拳をおでこの高さまで振り上げる

⒉戻すときは肘をしっかり後ろに引く

⒊20秒経ったら、腕を少し開いて同じ動きを行う

フォームを変えることで使われる筋肉が増え、運動効果がさらにアップします。

 

▶ 極浅スクワットのやり方

→内股にして足先同士を引っ付けた姿勢で素速く細かく、浅いスクワット運動を1分間続けましょう。

⒈つま先を内側に向け、軽く内股にする

⒉背すじを伸ばしたまま、「浅く・速く」スクワット

⒊動く幅は5~10cmでOK

小さな動きでも、股関節・太もも・内ももなど多くの筋肉へ刺激が入り、筋肉バランスが整うようになります。

 

② 3つのストレッチで大きな筋肉をほぐす

「お腹のインナーマッスルお〇〇筋」とか、

「骨盤の深層の〇〇」などの、難しい筋肉を狙う必要はありません。

ぎっくり腰を防ぐには 背中・お尻・太ももの裏 が占める3つのパートをケアするだけで十分です。

 

▶ 背中のストレッチ

⒈片腕をまっすぐ上方に伸ばす

⒉反対の手で肘をつかむ

⒊そのまま体を反対側へ倒し20秒キープ

 

▶ お尻のストレッチ(座位)

⒈一片足を反対の膝に乗せる

⒉背すじを伸ばし、上体を前へ倒す

⒊お尻が伸びてきたら20秒キープ

※立位なら、片膝をお腹へ引き寄せてもOK。

 

▶ 太もも裏~ふくらはぎのストレッチ

⒈座って片脚を投げ出す

⒉膝を伸ばし、足首を90度に背屈

⒊背すじを伸ばしたまま前屈し20秒キープ

 

すべて左右ともに行いましょう。呼吸は止めずに深呼吸をしながら行ってください。

朝・昼・晩の3回、入浴後・就寝前に行うとより効果的です。

 

 

神経の働きを活性させる生活習慣がぎっくり腰予防のキモ

 

実は、「水分・食事・入浴」がぎっくり腰の発症を左右しています。

ここからは、日常生活の中で気をつけていただきたいポイントをご紹介していきます。

 

① 水分補給を怠らない

冬は喉の渇きに気づきにくく、水分が極端に不足しやすい季節です。

しかし筋肉・関節・神経はすべて水分が不足すると働きが悪くなり、ぎっくり腰のリスクが高まります。

筋肉だけでなく、『神経の活動性』も、ぎっくり腰予防の大きなポイントです。

それは、筋肉や関節は神経による信号伝達で動いているからです。

 

神経の働きが鈍っている状態でぎっくり腰を予防しようとしても、

コンセントの部分に故障があるのに、いつまでも機械の本体に原因があると思って修理を進めているようなものです。

なので、冷え込む季節であってもこまめな水分補給は欠かせません。

30分に1回一口でいいので、こまめに水分補給を。

 

特にお酒を飲む方は要注意です。

アルコールは体の水分を奪うため、水分を取らずにお酒を飲んでいると体内では脱水状態が進み、

やがて筋肉は“干し肉”のように、神経は“砂浜に打ち上がったクラゲ”のような状態となっていきます。

このような状態では、ぎっくり腰が起きても仕方のないことだったりします。

お酒の席でも、補助水(チェイサー)を飲むようにしましょう。

 

② 食べ過ぎ・飲み過ぎは内臓-体性反射を起こす

冬は美味しい物が多い季節。しかし、胃腸が疲れると腰痛が悪化しやすくなります。

これは 内臓―体性反射 と呼ばれる体が持つメカニズムが関係し、

内臓の疲労が神経を通じ、背中・腰・お尻などの筋肉を緊張させてしまうのです。

 

もしかしたら、

「ストレスで胃が痛むと背中が張る」

「肝臓が疲れると右肩が凝る」

こうした経験をしたことがある方はおられませんか?

まさにこの反射の典型例です。

週末以外は 「腹八分目」「よく噛む」「チェイサーを忘れない 」を心がけてください。

 

③ 入浴習慣で筋肉と神経の緊張を緩める

シャワーだけで済ませる方も多いですが、

ぎっくり腰予防には 湯船につかることを強くおすすめします。

・5~10分程度の入浴から

・湯温は気持ちいい温度でOK

・温熱+水圧で筋肉が緩む

・神経の興奮が落ち着く

・睡眠の質が上がり、回復力が高まる

お風呂上がりの水分補給も忘れずに。

 

 

まとめ|冬のぎっくり腰は「少しの意識」で確実に防げます

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

今回のブログのポイントを以下のようにまとめました。

・冬は体が縮こまり、感覚と動きのズレが起きやすい

・速歩き・腕振り・極浅スクワットで体を温める

・背中・お尻・太もも裏のストレッチで大きな筋肉をゆるめる

・水分・食事・入浴で神経と筋肉の活動性を整える

 

ぎっくり腰は予防が肝心です。

忙しい時期こそ、少しだけご自身の体と向き合う時間をつくってみてください。

 

そして、

「何度もぎっくり腰を繰り返している」

「ぎっくり腰になる度に程度が重くなっている」

そんな方は、迷わず専門家へ相談しましょう。

もしかしたら、隠れた病気が影響していたり、何らかの原因が見つかる可能性があります。

 

また、強いマッサージや“バキバキ鳴らす整体”は、刺激が強すぎて逆効果になることが多いです。

巷のマッサージ屋さんや無資格者の営む整体屋さんに大切なお体を預けることは、

くれぐれもないようにお願いいたします。

 

いしだ鍼灸整骨院では、ぎっくり腰・ぎっくり背中の予防と再発防止を重視したケア を行っています。

あなたの体に合った改善方法を一緒に探していきましょう。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

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(監修 柔道整復師・鍼灸師 石田将太郎)

 

 

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