「お尻から脚にかけて、ずっとジンジンしている…」
「ふいに、電気が走るように痛むことがある…」
「少し歩くだけでも、つらくて立ち止まってしまう…」
そのようなお悩みはありませんか?
坐骨神経痛がなかなか良くならないと、「何か効くことをしなければ」と思って、ストレッチを増やしたり、健康にいいと言われるものを取り入れたりする方が多いと思います。
ですが、まじめに取り組んでいるのに良くならない。むしろ、ジンジンが続いている。そういった方にこそ、今日のお話を読んでいただきたいと思います。

坐骨神経痛は「何をするか」より「何をしないか」
こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
長期化している坐骨神経痛でお悩みの方に、私がいつもお伝えしていることがあります。それは、「何をすれば良いか」より「何をしないほうがいいか」が大切だということです。
当院のYouTubeでも、このテーマで「坐骨神経痛の3つのNG習慣」を紹介しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
神経が「引き伸ばされて」刺激されている
坐骨神経痛の痛みやしびれは、多くの場合、なんらかの原因で神経が引き伸ばされて、刺激されていることで起こります。
痛みが出ているときの神経は、非常に過敏になっている状態です。知覚過敏の歯のように、少しの刺激にも反応してしまう。だからこそ、日常のなかで神経を引っ張ったり、刺激したりする動作を減らしていくことが、改善への近道になると考えています。
知らず知らずのうちに、続けている習慣
やっかいなのは、そういった動作の多くが、ご自身では「良かれ」と思っていたり、何気なく続けていたりする習慣だということです。
今日は、私が特に気をつけていただきたいと考えている3つのNG習慣をご紹介します。
- NG① スリッパの常用とパタパタ歩き
- NG② 背伸び要素のある動き・振り返りなどの捻り動作・機敏な動作
- NG③ グイッグイッと反動をつけるストレッチ
あなたの毎日に当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。

NG①スリッパの常用とパタパタ歩き
一つ目は、家の中でも外でも、スリッパで過ごすこと。そして、スリッパでパタパタと足音を立てて歩くことです。
スリッパは、かかとが固定されていません。歩くたびに、足の裏から離れては、また床に着く。あのパタパタという音は、足元が安定していないサインとも言えます。
一般的には、スリッパは脱げないように、足の指や足首に余計な力が入りやすい履き物だと言われています。
以前ご紹介した記事でも、つま先立ち・スリッパでの歩行・足音を立てる歩き方は足に負担がかかりやすいので気をつけたい、とお伝えしました。家の中で過ごす時間が長い方ほど、スリッパで歩く歩数も増えていきます。一歩一歩は小さな負担でも、毎日積み重なると、どうなるでしょうか。
「健康サンダルだから」ってどうなの?
「足裏のツボを刺激する健康サンダルを履いているから大丈夫」
そう考えている方もいらっしゃるかもしれません。後ほどご紹介する患者さんも、「健康サンダルだから」という理由で、スリッパタイプの履き物で生活されていました。
ですが、健康にいいと思って選んだものであっても、かかとが固定されない履き物でパタパタ歩くことには変わりありません。
足裏への刺激が良いかどうかよりも、「足元が安定した状態で歩けているか」。坐骨神経痛でお悩みの方には、こちらを優先して考えていただきたいと思います。
NG②背伸び・振り返りなどの捻り・機敏な動作
二つ目は、背伸びの要素のある動作、振り返りなどの捻る動作、そして機敏な動作です。
背伸び・つま先立ちは、神経を伸ばしやすい
高い棚の物を取るとき、洗濯物を干すとき、ついつま先立ちで、グッと背伸びをしていませんか?
背伸びやつま先立ちの姿勢は、神経を引き伸ばしやすい動作です。先ほどお話ししたように、坐骨神経痛は神経が引き伸ばされて刺激されることで起こります。毎日のちょっとした背伸びが、知らないうちに神経を引っ張っている可能性があります。
急な振り返り・勢いのある動きにも注意
名前を呼ばれて、くるっと振り返る。イスやソファから、勢いよく立ち上がる。こういった捻る動作や、素早い動作も、気をつけていただきたい動きです。
勢いのある動きは、体の準備が整わないうちに、神経に急な負担をかけてしまう。過敏になっている神経には、それが「瞬間的な刺激」になりかねないと、私は考えています。
ふいに電気が走るような痛みが出る方は、その直前にどんな動きをしていたか、一度思い返していただくことが改善への第一歩だったりします。
NG③グイッグイッと反動をつけるストレッチ
三つ目は、グイッグイッと反動をつけるストレッチです。
「痛いのは、硬いからだ」と思って、勢いをつけて筋肉を伸ばそうとする。坐骨神経痛に効くと言われるストレッチを、毎日がんばって続けている。そういった方は、少なくないと思います。
良かれと思ったストレッチが、神経を引っ張る
実は、ここに大きな落とし穴があります。反動をつけてグイグイ伸ばすと、筋肉だけでなく、その奥の神経まで引っ張って刺激してしまうのです。
「毎日ストレッチしているのに良くならない」というお悩みの原因のひとつが、もしかしたらここにあるかもしれません。
ボールを使った強い刺激も避けたい
同じように、ゴルフボールやテニスボールでお尻をグリグリ刺激する方法など、過敏になった坐骨神経への強い刺激も、火に油を注ぐようなものです。かえって悪化させたり、長引かせたりするケースが多いため、避けていただきたいと思います。
ストレッチそのものが悪いわけではありません。大切なのは、やり方です。
50代女性・ゴルフ場の事務員さんのお話
ここで、実際に当院に来られた方のお話をご紹介します。
50代の女性で、お仕事はゴルフ場の事務員さんです。週に3〜4回、夜間にレクリエーションバレーのチーム練習にも参加されている、とても活動的な方でした。
来院された当時は、常にジンジンとした感覚があり、瞬間的な電撃痛に襲われることもある状態でした。50メートルを歩くのも必死だったそうです。そのような状態で、もう何年も生活を続けていました。
3つのNG習慣を見直していただきました
この方には、今日ご紹介した3つのNG習慣すべてに注意するようにしていただきました。
特にお願いしたのは、次の2つです。
スリッパでの生活を控えること
この方は「健康サンダルだから」という理由で、スリッパでの生活を続けていました。そこで、スリッパでの生活を控えていただき、外で洗濯物を干すときにも、靴に履き替えていただくようにしました。
背伸びは、ゆっくり伸び上がること
この方は小柄なため、日常生活のなかで背伸びをする機会が多くありました。背伸びを完全にやめるのは、現実的ではありません。そこで、背伸びをしてもいいけれど、ゆっくりと伸び上がるように意識していただきました。
また、手間ではありますが、登り台を準備して、その上に立って高いところの手仕事をしていただくようにもお願いしました。
まず変わったのは、ふくらはぎと足首
習慣を見直していくなかで、ご本人がまず実感されたのは、ふくらはぎや足首が柔らかくなったことでした。
寝ていても、足首にはピンッと力が入っているような感覚があったのが、いつの間にかなくなっていて、足が軽い。
そして、瞬間的な電撃痛に襲われる回数が減っていきました。常にジンジンしていた感覚の程度も、次第に和らいでいったんです。
50メートルが必死だったのに、イオンで2時間
50メートルを歩くのも必死だった方が、半年後には娘さんの買い物の付き合いでイオンに行き、2時間歩き続けることができるようになりました。
「何年ぶりだろう。こんなに歩けるようになった」そうおっしゃっていたことが忘れられません。
特別なことを新しく始めたというより、「しないほうがいいこと」を一つずつ減らしていった。この方の経過は、まさに今日のテーマを表していると思います。
※効果の感じ方には個人差があります。同じ経過をお約束するものではありません。

代わりにしてほしいこと
「NG習慣はわかったけれど、では代わりにどうすればいいの?」
そう思われた方に、当院でお伝えしていることをご紹介します。どれも、今日から取り入れられることばかりです。
スリッパではなく、靴に履き替える
ちょっと庭に出るとき、洗濯物を干すときこそ、スリッパではなく靴に履き替えてみてください。かがんで靴を履くのが億劫な方は、スリップインタイプの靴に変えるのも一つの方法です。
歩くときは、やわらかく足を着く
- 歩き出しは、症状のない側の足から(段差や階段では特に意識)
- 歩幅は少しだけ狭くする
- 地面を擦ったりパタパタ足音を立てたりせず、やわらかく足を着く
- お腹と背中をくっつけるイメージで、重心を高くして歩く
高い所の物は、踏み台を使う
高い所の物を取るときは、つま先立ちをせず、踏み台を使って高さを調整しましょう。踏み台を使えば、神経を伸ばさずにすみます。どうしても背伸びが必要なときは、事例の方のようにゆっくりと伸び上がることを意識してください。
立ち上がり・振り返りは、ワンテンポゆっくり
イスからの立ち上がりや、振り返る動作は、ワンテンポ、ゆっくりに。急がず、一つひとつの動きを丁寧にすることを意識してみてください。
ストレッチは反動をつけず、20〜30秒じんわり
ストレッチは、グイッグイッと反動をつけるのではなく、痛気持ちいいところで止めて、20〜30秒じんわりと。深呼吸をしながら、ゆっくり伸ばしてください。軽く張りを感じる程度で十分です。
3日ほど試して変化がなければ、やめる勇気も
セルフケアの方法はたくさんありますが、3日ほど試して変化がなければ、思い切ってやめる勇気も必要だと考えています。何かを足すより、まずは引くこと。それが、今日いちばんお伝えしたいことです。
お尻や太もものジンジンが続くなら、一度ご相談ください
ずっと続くジンジンとした感覚。ふいに走る電気のような痛み。少し歩くだけでもつらい毎日。
がんばってケアしているのに良くならないのは、あなたの努力が足りないからではなく、知らず知らずのうちに続けている習慣が関係しているのかもしれません。まずは今日の3つのNG習慣を見直してみてください。
それでも変化がないときは、一度当院へご相談ください。
※脚の力が入らない・しびれが広がる・排尿排便の異常などがあるときは、ためらわず医療機関を受診してください。
坐骨神経痛のご自宅での対処法や、日常の工夫については、こちらの記事にも詳しくまとめています。
▼ 梅雨どきから初夏のお尻の痛み・坐骨神経痛|家でできる対処法と、やってはいけないこと
https://ishida-saijo.com/?p=6950
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