こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎(いしだ しょうたろう)です。
梅雨に入ってから、右のお尻がズーンと重い。走ったあとや、朝起きた瞬間に、お尻から足にかけて嫌な痛みが走る——。この時期になると、そんなお悩みで来院される方が増えてきます。
とくに、平日は長く座り、休みの日には走る。そんな二つの顔をお持ちのあなたに、今日はぜひ読んでいただきたい内容です。家でできる対処法と、逆にやってはいけないことを、実際の患者さんの経過を交えてお伝えします。

梅雨どきに「右のお尻」が痛くなるのは、なぜ?
先日も、こんな方が来院されました。50代の女性で、お仕事は医療事務。座っている時間が7割、窓口や接遇で立つ時間が3割ほど。休みの日は、フルマラソンをサブ5(5時間以内)で走るランナーさんです。
早朝ランと休日のチーム練習がルーティンで、月に一度は走り込みのケアと、お仕事でたまる背中・肩こりや腰のケアに通ってくださっています。その方が、梅雨になると決まって右のお尻の痛みを訴えられ、通院の間隔が短くなるのです。
原因のひとつは、足元にありました。梅雨どきは、多少の雨なら走り続けられますが、歩道や側道が濡れてグリップが悪くなります。すると足元の不安定さから、右の脚〜お尻の筋肉がギュッと力みやすくなるんです。もともと姿勢が少し右へ倒れるクセをお持ちで、梅雨になるとそれが強く出てしまっていました。

痛みの”引き金”は、足の小指だった?
くわしく診させていただくと、意外な場所に原因が隠れていました。右足の小指の動きが悪くなっていたのです。
試しに右足で片足立ちをしてもらうと、ゆらゆらとバランスが崩れます。さらに、お尻の横の筋肉(中殿筋=ちゅうでんきん)の力が弱くなっていて、右足で着地するたびに体が右へ大きく揺れていました。ここから、こんな連鎖が起きていたのです。
- 足の小指がうまく使えない
- → お尻の横の筋肉(中殿筋)が疲れる
- → お尻の奥の筋肉(梨状筋=りじょうきん)が張る
- → その奥を通る坐骨神経を刺激してしまう
つまり、足の小指の働きの低下が、めぐりめぐってお尻〜足の痛み(坐骨神経痛)につながっていたというわけです。しかもこの連鎖が、足元の不安定な梅雨どきに起きやすくなっていました。
お尻や足の痛み・しびれは、お尻そのものが悪いと思われがちですが、こうして足元に引き金が見つかる方は、決して少なくありません。ランナーさんに限らず、姿勢の崩れや体の歪みからも起こります。
家でできる対処法|まずは3〜4日、試してほしいこと
その方にもお伝えした、ご自宅でできるケアです。強い刺激はいりません。やさしく、痛みの出ない範囲でが合言葉です。
① 足の小指まわりの”皮膚をさする”(約30秒)
小指の表も裏も、そして足の裏の外側全体を指や手のひらでさすります。ちょうど、寒い日に手と手を擦り合わせて温める、あの感じで、30秒ほどじんわりと。
② 足の小指を”ブラブラ”ゆらす(約30秒)
小指の先を軽くつまんで、上下にブラブラと揺らします。力を入れず、30秒ほど遊ばせるように。
①②は簡単ですが、皮膚を介して神経→筋肉→足の小指側の骨へと刺激を伝えます。
足の小指の感覚や動きが活発になると、お尻の筋肉の負担が軽減していくため、やがて坐骨神経への
刺激も和らいでいきます。
③ お尻・もも裏のやさしいストレッチ(20秒以上)
お尻の外側と後ろ側、太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばします。軽く張りを感じる程度でOK。ぐいぐい伸ばす必要はありません。深呼吸をしながら、20秒以上かけてゆっくりと。
この①〜③を、朝・昼・晩の3回を目安に。休憩時間や帰宅後、就寝前などに取り入れてみてください。
坐骨神経を”刺激しない”日常の工夫

痛みが出ているときは、神経が過敏になりやすい状態です。動き出しや体重をかける場面で、いかに刺激しないか。日常のちょっとした工夫が大切です。
- 歩き出しは、症状のない側の足から(とくに段差や階段で意識)
- 歩幅は少しだけ狭くする
- 地面を擦ったりパタパタ足音を立てたりせず、やわらかく足を着く
- かかとから着くことを意識しすぎない
- お腹と背中をくっつけるイメージで、重心を高くして歩く
反対に、つま先立ち・スリッパでの歩行・足音を立てる歩き方は足に負担がかかりやすいので、気をつけたいところです。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 温める? 冷やす?
発症から1週間くらいの間で、痛むところに腫れや熱っぽさがあったり、お風呂で痛みが強くなったりするなら、冷やしてOK。2週間以上たっているなら、あえてどちらもしなくて大丈夫です。この時期は冷房で冷えやすいので、「温める」より「冷やさない工夫」と、湯船につかる習慣を意識してみてください。
Q. 走ってもいい? 休むべき?
走ったあとや翌日に悪化したり、朝に強い痛み・しびれを感じたりするなら、一度ストップを。痛みのピークが半分くらいまで落ち着いたら、いつもの3分の1〜半分ほどのスピードと距離で試し走りから再開しましょう。
Q. 自分でストレッチしてもいい?
やさしい範囲ならOKです。ただし、強いストレッチや、ボール・マッサージガンでの直接的な刺激は避けてください。理由は次でお話しします。
その”良かれ”が、火に油かもしれません
お尻の派手なストレッチ。ゴルフボールやテニスボールでグリグリ刺激する方法。人気のマッサージガンや振動マッサージ機。一見よさそうですが、過敏になった坐骨神経への強い刺激は、火に油を注ぐようなもの。かえって悪化させたり、慢性化の引き金になったりするケースが多いのです。
セルフケアの方法はたくさんありますが、3日ほど試して変化がなければ、思い切ってやめる勇気も必要だと考えています。
3〜4日試しても変わらないときは
冒頭の患者さんのその後です。初診は初夏、梅雨の影響を受けたあとでした。最初の1か月は週1回の通院で症状は残り4割ほどまで軽減。2か月目は2週間に1回に切り替え、3か月後にはランニングも日常も支障のない状態に。通院と並行して、歩き方・ストレッチ・小指まわりのケアを毎日続けていただいたことも大きく、今ではハーフもフルもベスト記録を更新し続けていらっしゃいます。
坐骨神経痛や梨状筋症候群は、体の歪みや動きのアンバランスを整える施術が効きやすい症状です。姿勢の崩れや歪みが大きい方は、自力での回復が難しいことも少なくありません。
まずはこの記事のセルフケアと工夫を守って、3〜4日ほど過ごしてみてください。それでも変化がないときや、姿勢・歪みが気になるときは、どうぞ一度ご相談ください。お一人おひとりの体と目的に合わせて、あなたの大切な日常と、マラソンライフを末長く支えるお手伝いができればと思っています。
ご予約・お問い合わせ|いしだ鍼灸整骨院(愛媛県西条市)
- お電話:0898-64-2633
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※本記事でご紹介した改善の経過は一例です。症状の感じ方や回復の経過には個人差があります。


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