「夫の実家に帰省するとゆっくりしてられないから、腰痛になると本当に辛い」
「助手席に乗っているだけだから、腰が痛くなることを打ち明けにくい」
腰痛をお持ちの方にとって、長距離の運転や乗車は辛い時間になることも多いはずです。
今回のブログでは、腰痛持ちのあなたに向けて、帰省や旅行で長時間車に乗る時に役立つ内容をまとめました。
お時間のある際に、ぜひ最後までご覧ください。
はじめに
こんにちは。
愛媛県西条市で「いしだ鍼灸整骨院」を開業しています、石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
レジャーや帰省に付き物なのが「長時間の車移動」ですよね。
過去に腰を痛めたことがある私も、実は長距離の車移動は苦手で、腰痛に対する不安を感じます。
当院でも、特に主婦層の患者さんから、長距離移動や長時間の乗車による腰痛についてご相談を度々受けます。
免許証を持っていない方もおられますし、不安で高速道路の運転を遠慮される場合も多いようです。
ですが、意外と助手席に乗ってじっとしていることって大変ですよね。
また、運転を任せていることで、運転手に気を遣って腰痛を伝えにくいという声を聞きます。
さらに、帰省に伴うケースでは、帰省先がご自身の実家でない場合だと、
ゆっくりと腰痛を休めるなんてこともできないはずです。
そういったご相談を受ける機会も多いので、
今回は長距離運転や長時間の乗車に伴う腰痛の原因、そして、効果的な対策方法をお伝えしていきます。
長時間の車移動で腰痛に苦しむ人がまず初めにやるべきこと
結論からお伝えする形になりますが、
長時間の運転や乗車によって腰痛に苦しむあなたがまず最初に行うべきこと、それは、
「ご家族や同乗者からの理解を得ること・苦悩や対策を共有すること」
だと考えています。
先にも触れたように、腰痛によって困ることや不安、葛藤について、
勇気を出してご家族や同乗者にお伝えしましょう。そして、腰痛の予防方法を共有していきましょう。
痛みの我慢や孤独な想いは、腰痛を悪化させ、車移動に対するネガティブな思考へと変わっていきます。
ひとりで抱え込まず、打ち明けることができれば、理解してもらえる可能性は大いにあるはずです。
特に理解してもらいたいことは、
「45分〜1時間に一度は休憩させてもらうこと」
「目的地に到着したら、5〜10分のリセット時間を作ってもらうこと」
腰痛の原因をざっくりとお伝えするならば、『長時間の同一姿勢が招く腰部への血行不良』です。
予防と対策として、定期的な休憩時間が欠かせません。
この事実を理解していただくことで、腰痛によって肩身の狭い想いをすることも減っていくはずです。
ブログ内では、腰痛の原因と対策について詳しく触れていきます。
ぜひとも、ご家族や同乗者の方々にもご覧いただくようにしていただければと考えています。
長距離運転や長時間の乗車で腰が痛くなる主な原因とは?
特に長時間の運転や乗車による腰痛への影響は、以下のようなものがあります。
① 長時間の同一姿勢による筋肉の疲労と血流低下
車のシートに座りっぱなしになると、腰部(特に背中の筋肉やお腹のインナーマッスル)への負担が蓄積されます。
特にアクセルやブレーキ操作をする右脚は中途半端に浮いた状態になりやすく、
骨盤の左右差やアンバランスな筋肉の緊張を招きます。
また、同じ姿勢が続くことで筋肉が収縮したままとなり、
血流が滞るため、腰部の筋肉や関節に酸素や栄養が十分に供給されません。
そして、老廃物が溜まりやすくなることで、鈍い重だるさや痛みとして現れます。
もちろん助手席に乗っている場合でも、こういったストレスは大きく影響します。
② 背骨のS字カーブが崩れやすい「シート姿勢」
車のシートはリクライニングがあるとはいえ、
背骨本来の自然なS字カーブをサポートしてくれる構造にはなっていないことがほとんどです。
そのため、骨盤が後傾しやすく、いわゆる「猫背姿勢」になりやすいです。
この状態では腰椎の椎間板や椎間関節(背骨同士の隙間)に過度な圧力がかかり、
痛みや炎症を引き起こしやすくなります。
③ アクセル・ブレーキ動作による骨盤のねじれ
アクセルやブレーキを操作する際、右足だけを動かす動作が連続します。
この動きに伴い、右の骨盤(腸骨)が前傾・外旋しやすくなる一方で、左側は動きが少ないため、
左右非対称な負担が腰部にかかります。
このアンバランスが仙腸関節や腰椎周囲の不安定性や炎症を誘発し、結果として痛みにつながるのです。
④内臓のストレスと自律神経の乱れ
長時間の運転では、食事の偏りや水分不足、緊張状態が続くことで、内臓の疲労や自律神経の乱れが起こります。
この状態は、腰部の筋緊張や血流不全にもつながるため、二次的に腰痛が現れやすくなります。
特に腸腰筋(ちょうようきん:お腹のインナーマッスル)などの、
内臓の近くに位置する深層筋が硬くなると、腰の奥が痛むような不快感を訴える方も多いです。
⑤振動と路面衝撃による椎間板へのマイクロトラウマ
長距離運転中は、路面の凸凹や車体の微振動が腰椎に伝わり続けることになります。
この「繰り返される細かい衝撃(マイクロトラウマ)」が、椎間板や関節に微細な炎症を引き起こす原因になります。
特に、ヘルニア予備軍や慢性腰痛を抱える方にとっては悪化の引き金にもなりやすいです。
また補足として、腰痛を起こしやすい人の特徴をお伝えします。
①反り腰 or 猫背姿勢が慢性化している
②普段から座り仕事が多い
③骨盤や股関節の可動域が狭い
④運転中に「背もたれに頼り切る」習慣がある
⑤呼吸が浅く、肋骨が硬い(=腹部の圧力調整ができない)
これらに当てはまる場合には、事前準備や道中の対策が必要になります。
長距離運転でも腰を痛めないために|3つのセルフケア実践術
「長時間の運転で腰が固まる」「目的地に着いたら腰が伸びない…」
そのようなお悩みって、ご経験ありませんか?
ここからは、
①運転中にできるセルフケア
②腰にやさしいシートポジションの取り方
③途中休憩の時や到着後すぐ行いたいストレッチ
この3つの視点から、腰の痛みを予防・軽減する方法をご紹介します。
① 運転中にできるセルフケア
長距離移動中でも「ちょっとした工夫」で腰の負担はかなり軽減できます。
腰を動かす「シート内エクササイズ」
運転中でも安全を確保した上で、信号待ちや休憩中に以下を試してみましょう。
骨盤の前後ゆらし
→ シートに浅く座り、骨盤を軽く前傾・後傾させる動きを繰り返します(10~15回)。
→ 骨盤まわりの血流改善&腰椎への圧力を分散できます。
お腹に力を入れて3秒キープ(腹圧エクササイズ)
→ 姿勢を正して、下腹部をグッと締めるように力を入れ、3秒キープ(10回)。
→ 腹圧が高まると、腰の安定性がアップします。
足首グーパー運動(ふくらはぎポンプ)
→ 座ったまま足首を曲げ伸ばし。血流促進に効果的です。
→ 腰そのものというより、下肢循環を良くしてむくみ・疲労軽減に。
②腰に優しい 正しいシートポジションの取り方
腰への負担を左右するのが「運転姿勢」。
ほんの少しの調整で、腰にかかるストレスは激減します。
チェックポイント
・背もたれとお尻の隙間をなくす(腰クッションもOK)
→ 骨盤を後ろに倒しすぎると猫背に。タオルを丸めて腰の隙間に入れるだけでも◎
・シートの角度はやや立て気味に(110~120度)
→ 寝かせすぎると腰が反り、起こしすぎると腹筋が緊張。中間がベスト!
・膝は股関節よりやや高めに
→ 足元に小さなクッションや足置きがあると腰椎への負担が減ります。
・ハンドルは肩が浮かない距離感に
→ 肩が前に出ると猫背&首こりにつながります。
③ 途中休憩時と到着後すぐ行いたいストレッチ3選
サービスエリや目的地に着いたら、なるべく早く「リセット」ストレッチを行いましょう。
5分できるだけでも、腰の緊張状態を防げます。
⒈前もも&股関節のストレッチ(腸腰筋ケア)
片膝をついたランジ姿勢(または立位で片脚を後ろへ引く)
骨盤を前に押し出すようにして、前ももの伸びを感じる(片足20秒ずつ)
→長時間座り姿勢で縮んだ腸腰筋を解放できます。
2. ひざ抱えストレッチ(腰の筋膜リリース)
仰向けまたは座った状態で片膝を胸に引き寄せる
腰~お尻にかけてじんわり伸ばす(片足20秒ずつ)
→腰の筋肉の緊張をゆるめ、可動域を回復。
3. 立位での背伸び&側屈運動
両手を上げて、思いっきり背伸び(深呼吸しながら)
そのまま左右にゆっくり体を倒す(側屈)
→背骨の柔軟性を取り戻し、体幹の動きをリセットします。
ここまで、長距離運転や長時間の乗車による腰の痛みを予防・軽減する方法をご紹介してきました。
腰痛予防は「乗る前から始まっている」と言っても過言ではありません。
しかしながら、忙しい日常では事前のストレッチや適度な運動をする余裕などなかなかないはずです。
そのような中だからこそ、
・小まめな休憩
・姿勢の工夫
・簡単な動きで筋肉と血流をリセット
こうした「ちょっとした習慣」が、痛みの予防や再発防止に直結します。
最後に
レシャーや帰省だけでなく、お仕事や家族の送り迎え…
長距離を移動しなければならない事情は人それぞれですが、
どんなにがんばっても、体には確実に負担がかかっています。
特に腰は、運転中にじっと踏ん張り、体を支えてくれている場所。
「まだ痛みは出ていないから大丈夫」と思っていても、
実は知らないうちに負担が積み重なっていることも多いんです。
だからこそ、「予防」の意識をもって、
・運転中にもできる小さな体の動かし方や、
・シートの位置ひとつで変わる負担の軽減、
・休憩のSAや到着後にできるたった5分のリセットストレッチ
これらの「ちょっとした習慣」こそが、あなたの腰を守ってくれる何よりの味方になります。
そしてやはり、ご家族や同乗者からの理解を得ることも大切です。
腰痛をひとりで我慢しておられたり、肩身の狭い想いをしてほしくはありません。
思い切って協力や理解を求めましょう。
そして万が一、運転後に腰が固まって動きづらい、重だるさが続く、痛みが出てしまった…
そんなときは、「我慢しないこと」も大切なセルフケアです。
また当院では、運転後の腰の張りや痛みに対して、筋肉や神経、骨盤と背骨(姿勢)の調整はもちろん、
内臓や自律神経へのアプローチも行っています。
「腰痛を早く治したい」「また次の移動までにしっかり整えたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたのカーライフが、できる限り快適で、痛みなく過ごせる時間になりますように。
いしだ鍼灸整骨院は、いつでもそのお手伝いをさせていただきます。
腰痛の治療予約の方法や当院の詳細について
※当院は完全予約制・自費診療専門の鍼灸整骨院です。
当院ホームページから、Q&A、患者さんからのお声などもご覧ください。
ご予約に関しましては、24時間ご利用可能なネット予約、またはお電話にてお問い合わせください。
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※施術料金
初回:12,800円(税込)
2回目以降:9,800円(税込)
もっと当院について知りたい方は、当院ホームページをご覧ください。
特別にご許可をいただいた患者さんとのインタビュー動画もご紹介させていただいております。
(監修 柔道整復師 鍼灸師 石田将太郎)