「朝、起き上がった瞬間に、頭がふわっと揺れる…」
「デスクやレジからパッと動き出すと、足元がフラッとする…」
「天気が崩れる前の日から、なんとなく体が重い…」
「車の運転が、ちょっと怖い…」
もしかしたら、今このブログをご覧になられているあなたは、こういったお悩みを人知れずに抱えていませんか?
夏の疲れが抜けきらないうちに台風がやってきて、朝晩はぐっと冷え込むようになる。秋は、体にとって忙しい季節です。「天気のせいだから仕方ない」と思いながら、ふわふわを抱えたまま毎日をこなしている方こそ、あなたなのではないでしょうか。
こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
今日は、秋に増える「ふわふわめまい」について、耳の奥で何が起きているのか、そして毎日の予防策から症状が出たときのケアまで、できるだけ具体的にわかりやすくお伝えします。デスクワークや立ち仕事で、じっとしている時間が長い方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
「これじゃ本来の私じゃない」|9月にご来院された女性のお話
9月の中頃、家電量販店で販売のお仕事をされている女性がご来院されました。
普段はピラティスや水泳に通い、ご自身でお菓子教室も開いている、とても活動的な方です。ご本人も、疲れっぽくなっていることには気づいていたそうです。
カラッと晴れていた空が曇りに変わる、その前日ぐらいから、立ち上がるとふわふわする。車の運転も怖いと感じるようになった、とのことでした。
「動いていることが好きなのに、これじゃ本来の私じゃない」
「元気だけが取り柄だから、この目眩さえなければなんの不満もないんだけど」
元気な方ほど、思うように動けないもどかしさは大きいものです。この言葉は、私の中にも強く残っています。
この方がその後どうなったかは、後半でお話しします。
秋と春にふわふわめまいが増えるのはなぜ?
めまいのご相談は、秋と春に多いと感じています。この時期は、体に負担がかかる条件が重なるからです。
台風・低気圧・朝晩の気温差・花粉の飛散
- 台風の発生
- 低気圧
- 気候の変化
- 朝晩と日中の気温差
- 微細なアレルギー反応
自律神経が「緊張モード」に傾く
こういった気候変化は自律神経に作用し、体を緊張させる交感神経が優位になりやすい状態を作ります。交感神経が優位になると血管が縮み、血流が悪くなります。
さらに、リンパの流れも悪くなります。リンパは静脈と並んで流れているため、血流が悪くなると一緒に影響を受けてしまうのです。めまいやふわふわするような立ちくらみの背景には、このような悪循環が起きていることがお分かりになったと思います。

耳の奥は「うなぎの寝床」
3つの部屋の、いちばん奥が「内耳」
耳の中は、3つの部屋が奥へ奥へと続く構造になっています。細長い「うなぎの寝床」をイメージしてみてください。
めまいやふわふわ感に関わるのは、3つの部屋のいちばん奥にある「内耳」です。ここに、体のバランスを感じ取る「三半規管」があります。

三半規管を満たすリンパ液は「下水道」
三半規管は、リンパ液で満たされています。リンパは、体の中の「下水道」のようなもの。ただでさえ、きれいとは言えない水が流れているところとお考えください。
きちんと循環していれば問題はありません。でも、その流れが弱まると汚れがたまり、三半規管がダメージを受けます。ほら、川も流れの澱んだところにゴミが溜まって浮かんでいますよね。あのような感じです。ダメージを受けた三半規管がうまく働かなくなって平衡感覚が狂い、めまいやふわふわが出やすくなると私は考えています。
寝起きや、じっとした後に弱いのはなぜ?

寝起きや、じっとしていた後は、体そのものの循環が落ちています。そして、細かい部分にあたる耳の奥(内耳)は、さらに流れが悪くなっています。
だからこそ、動き出しの瞬間に特に弱いのです。デスクワークで座りっぱなしの方、立ち仕事でその場からあまり動けない方も、同じ状態になりやすいと思います。
勝手に開いたり閉まったりする「自動ドア」
このときの三半規管は、いわば誤作動を起こしている状態です。
交感神経が張りつめているせいで、ちょっとした刺激にも敏感になっています。本来なら反応しないはずの距離でも、反応してしまう。誰も通っていないのに、ちょっとした変化を過敏に捉えて自動ドアが勝手に開いたり閉まったりを繰り返している。そのようなイメージです。
セルフケアの前に|すぐ病院へ行ってほしいサイン
セルフケアのお話の前に、知っておいてほしいことがあります。次のようなめまいには、緊急性の高いものも含まれています。
- 吐き気や耳鳴りをともなうめまい
- 休んでも悪化する一方のめまい
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
- 顔や片側の手足に力が入らない、しびれる
- 急に立てない、支えがないと歩けない
- 物が二重に見える
- 今までにない激しい頭痛がある
- 意識がもうろうとする、意識を失う
- 胸の痛みがある、気を失いそうになる
特に「急に歩けなくなった」といった場合は、ご自分でなんとかしようとせず、すぐに病院へ行ってください。
【毎日の予防】大きな筋肉を動かして「流れ」をつくる
ここからはセルフケアのご紹介です。まずは、症状が出る前の「事前ケア」。毎日の循環づくりです。
なんといっても血流を活発にすることが大切です。大きな川の流れが良ければ、枝分かれしていく細い川への流入も勢いがありますよね。まさにこのイメージをお持ちいただきたいと思います。
耳の奥は心臓からも遠い上に、血液を届けるには重力に逆らう必要がある場所。その上、うなぎの寝床のように奥細い構造となっています。血流にも勢いが必要で、しっかりと循環させたいですよね。
筋肉が働くと、血流が促されます。そして、小さな筋肉より大きな筋肉を動かすほうが効率がいいのです。できれば毎日、コツコツ続けてみてください。

もも上げ運動
20秒間を2〜3セット。その場で、ももを交互に上げます。
軽めのスクワット
15〜20回を、1日2〜3セット。負荷は軽めで大丈夫です。
伸び上がり運動
ラジオ体操にあるような、体をぐーっと上に伸ばす運動です。15〜20回を、1日2〜3セット。
【平衡感覚のサポート】目と足裏を動かす
平衡感覚を支えるケアです。体を真っ直ぐの状態に保つとき、耳の奥の三半規管だけでなく、視覚感覚と足裏の接地感覚の働きも欠かせません。デスクワークや立ちっぱなしのお仕事の方、運動不足を感じている方には特におすすめです。無理のない範囲で取り入れてくださいね。
目の運動
顔を正面に向けたまま、目だけで上・下・左・右を5秒ずつ見ます。眼球を動かす筋肉を刺激します。
ただなんとなく上下左右を見るのではなく、視界の端の限界を見るように、目一杯に黒目を動かしてあげてくださいね。
足裏マッサージ
足の裏をマッサージして、足裏の感覚を刺激します。カーペットや土壁、タオル、フローリングなどに足裏を擦って、いろんな感覚を入力することもおすすめなんです。目をつぶって、素材当てクイズをするのも楽しみながらできていいですよ。
意外と大切な喉のケア
中耳は体の構造上、喉と繋がっています。喉に炎症があったり乾燥しがちだったり、ウイルスや雑菌が付着したままだと耳のほうまで影響します。日頃からうがいやこまめな水分補給をするように習慣化し、乾燥対策としてのど飴を口に入れたり、唾液腺のマッサージを行うようにすることもおすすめです。
唾液腺のマッサージの方法は別記事や当院のYouTube動画をご参考ください。
【更年期と夏の辛い不調】…「顔汗」「首汗」「喉のつかえ」「肩こり」に悩んでいませんか?知られざる原因と対策方法をお伝えします|【愛媛県西条市・新居浜市・いしだ鍼灸整骨院】
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【ふわふわが出たら】安静にしながらできるセルフケア
実際に症状が出てしまったら、まずは安静に。そのうえで、座ったり横になったりしたままできるケアがあります。
耳たぶまわりの皮膚を、素早く擦る
耳たぶのまわりには、耳の奥の反射が現れる場所が2ヶ所あります。
- 耳たぶの真下:内耳の反射が現れる場所
- 耳たぶの前あたり:中耳の反射が現れる場所

- 人差し指から小指までの4本の指をそろえる
- 指先で、皮膚に触れているか触れていないかのスレスレを狙って、素早く擦る(10秒間に30〜40往復ぐらい)
- 1ヶ所につき1分間ずつ、左右で計4ヶ所

摩擦で痛みが出ないように行ってください。市販のローラー鍼をお持ちなら、素早くコロコロ転がしてあげるのもいい方法です。協力者がいれば、誰かにやってもらってもOKです。


このケアは、症状が出たときだけでなく、予防にもおすすめです。
- 寝る前や、朝起きたとき
- じっとしていて、動き出す前
- 昼寝などで横になっていて、起き上がる前
- 疲れを感じるとき
軽く刺激してから動き出すようにしてみてください。

吐き切る深呼吸
口から、肺が空っぽになるまで息を吐き切ります。吐き切ったら力を抜いて、空気が自然に入ってくるのを待ちます。自律神経の調整方法のひとつとして、交感神経を落ち着かせ、副交感神経を優位にするためにはもってこいの方法です。詳しいやり方は、以前の記事で紹介しています。
▼【息苦しい】胸に重りが乗っているよう…その息苦しさ、原因は無意識の「息の吸いすぎ」かもしれません
めまいがあるときは、必ず椅子に座るか、横になった状態で行ってください。クラっとしたり、苦しくて怖いと感じたりしたら、すぐにやめて、いつもの呼吸に戻しましょう。
水分補給は「ペットボトル2本」
いつもの水分補給に、プラス1リットルを目標にしましょう。
「500mlのペットボトルを、2本頑張ろう」
9月の女性にも、このようにお伝えしました。
※持病などで水分をとる量を制限されている方は、主治医の指示に従ってください。
天気予報と、お薬のタイミング
天気予報で、実際に天候が変わり出す前や、気圧が変わり出すタイミングを確認しておきましょう。
処方されているお薬は、予防的なタイミングで飲むのがよいとされています。ご自身の症状が出るタイミングや、「来そうだな」という予感がある、その前(前夜)に服用してください。
※お薬の飲み方は、基本的には処方を受けた医師や薬剤師の指示に従ってください。事前の服用についても医師にご相談されることをおすすめします。

あの方のその後
9月にご来院された女性には、耳まわりのセルフケア、吐き切る深呼吸、水分補給を、毎日積極的に続けていただきました。
その結果、2週間の間に3回の施術で、8割以上スッキリされました。
いつもなら、3ヶ月ぐらいは不安を引きずっていたそうです。「車に乗ることもおっくうになって、まるで鳥籠に閉じ込められているみたいになる。本当にストレスがたまるのよ…」このようにお話しされていましたから、ご自宅でのケアを毎日がんばってくださったことが、大きかったと思います。
※効果の感じ方には個人差があります。
当院が、体のゆがみや左右差をみる理由
ここからは、私の考えをお話しします。
例えば、
・体(姿勢)がゆがんで、左右の耳の位置が違っている。
・筋力の差や神経の働きにアンバランスがあって、歩くたびに体が正常な範囲を超えて揺れてしまっている。
・耳の奥へ伸びていく神経や血管が、頚椎(けいつい:頭を支える首の骨の積み重なり)の配列の乱れによって邪魔されている。
こういったお体の変化や小さな日常の積み重なりが、ある日、体という容器いっぱいになって溢れかえってしまっている状態なら。もはや気候の変化やちょっとしたストレスにさえ耐えきれなくなって、最終的に三半規管に影響し、めまいや立ちくらみにつながっていく可能性がある、と考えています。
それらは自律神経に影響して血液の循環に作用し、最初にお話しした悪循環をエスカレートさせているのではないか、と推測がつきます。
実際に整体治療や鍼治療がめまいの施術に役立つのは、こういった点にアプローチできるからです。
よくあるご質問
Q. 耳鼻科に行くべき?整骨院でいいの?
A. まずは耳鼻科を受診しましょう。整骨院や鍼灸院での施術が役立つ場合も多いにあります。整骨院を選ぶときは、めまいの施術に慣れているかを事前に聞いてみると安心です。
Q. 薬を飲んでいても、施術を受けられる?
A. 大丈夫ですよ。どのくらいの期間飲んでいるか、お薬の名前、直近で飲んだ時間。こういった内容を事前にお伝えいただけると、よりありがたいです。
Q. 何回くらい通えばいい?
A. 個人差がありますし、めまいを繰り返している方や、起こるたびに毎回症状が重くなっている方もいらっしゃるので、一概には言えません。体に負担の少ない施術を心がけていますので、まずはお気軽にご相談ください。
ふわふわに振り回されない秋を、一緒に
秋は、台風や朝晩の気温差に、体が知らないうちに合わせ続けている季節です。ふわふわが出るのは、あなたの気持ちが弱いからではありません。
毎日の小さな「流れづくり」と、出たときの落ち着いたケア。そして、いつもと違うと感じたら、迷わず病院へ。この3つを、手元に置いておいてください。
雨や台風の前のふらつきについては、こちらの記事でもまとめています。
▼雨や台風の前にふらっとするあなたへ|お天気めまいのセルフケアと「すぐ病院へ」のサイン
「これじゃ本来の私じゃない」と感じているあなたが、また自分らしく動ける毎日に戻れるように。お悩みを解決できるよう、お手伝いいたします。
※症状の感じ方には個人差があります。気になる症状が続くときや、上に挙げたようなサインがあるときは、無理をせず医療機関にご相談ください。
ご相談や治療のご予約は、お電話・Web予約・LINEからお受けしています。




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