「稲刈りが終わって何日もたつのに、腰の重さが抜けない…」
「朝、布団から起き上がるときに、腰がこわばって動きにくい…」
「毎年のことだから、湿布を貼っておけばそのうち治るだろう…」
そのようなお悩みはありませんか?
平日は会社に勤め、休日に田んぼに立つ。今年も無事に刈り終えて、ようやくホッとひと息ついている方も多いと思います。その一方で、腰の重さには「いつものこと」と目をつぶって、そのまま仕事に戻っていないでしょうか。
今日は、稲刈りが終わった後の腰のケアについてのお話です。

刈り終えた後の腰、そのままにしていませんか?
こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎です。
この夏、稲刈りの前に読んでいただきたい腰痛予防のお話をご紹介しました。
▼【稲刈り前に読んでほしい】腰痛は”刈る前”の準備で防げます|西条の米農家さんへ、3日前から始める4つの運動
https://ishida-saijo.com/?p=7090
今日は、その続きです。刈り終えた後の腰のお話をさせてください。
稲刈りが終わってしばらくたっても、
- 腰の重さや張りが、なかなか抜けない
- 朝の起き上がりがつらい
- 腰だけでなく、お尻のあたりまで痛くなってきた
こういったサインはありませんか?
稲刈りでたまった腰の疲れを放っておくと、冬場になって悪化することや、坐骨神経痛(お尻から脚にかけての痛み・しびれ)のきっかけになることもあります。だからこそ、刈り終えた今のうちに、腰をいたわっていただきたいのです。

稲刈りの疲れが腰に残るのはなぜ?
ふだん使わない大きな筋肉に、一気に負荷がかかる
稲刈りでは、中腰での作業、重い物の持ち運び、コンバインやトラクターの振動と乗り降りなど、体に負担のかかる動作が続きます。
このとき働き続けているのが、背骨に沿って走る脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、お尻の殿筋群(でんきんぐん)、太ももの前や裏の筋肉など、体の中でも大きな筋肉です。
ふだんの会社勤めではフルに使っていない大きな筋肉に、稲刈りの数日間で急に負荷がかかり、疲労が蓄積していきます。一週間お仕事をして、仕事の負担やストレスを抱えた体で、単発の集中作業に臨む。それが腰痛に変わってしまうことがあるのです。
長靴とぬかるみで、下半身が疲れ切っている
雨のあとの田んぼで、ぬかるみから長靴を一歩一歩引き抜きながら歩く。思い出しただけで、脚が重くなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ぬかるみを歩くことや、長靴を履いて作業することで、下半身に疲労がたまります。その下半身の疲れが、腰痛につながっていきます。腰だけでなく、脚やお尻の疲れも一緒にケアしてあげることが大切です。
重機の乗り降りの衝撃が、腰に響く
コンバインやトラクターの乗り降り。作業が続いて疲れてくると、つい「よいしょ」と飛び降りてしまうことはありませんか?
乗り降りの衝撃は、お尻の筋肉がクッションのように受け止めてくれています。ここが疲れて硬くなっていると、衝撃がじかに腰へ響きやすくなります。
来年の稲刈りに向けても、重機の乗り降りは慎重に、飛び降りない。これはぜひ覚えておいていただきたいポイントです。
見落としがちな「脱水」と「お酒」
稲刈りの腰痛というと、筋肉の疲ればかりに目が向きがちです。ですが、当院では脱水や熱中症のケアも、腰痛対策には効果的だとお伝えしています。
涼しくなってきたとはいえ、稲刈りは汗をかく作業です。一般的には、汗で失った水分は、のどが渇く前にこまめに補うのがよいと言われています。作業の合間には、意識して水分をとるようにしてください。
もうひとつが、お酒です。
「刈り終えたし、今日はゆっくり飲もう」。そのお気持ちは、とてもよく分かります。ですが、アルコールをたくさん飲むことは、稲刈りシーズンの間は控えていただきたいと考えています。まずは疲れた体の回復を優先してあげてください。
「痛みが消えた=治った」ではありません
受け止める体は、毎年少しずつ変わっている
「いつものことだから、我慢していれば良くなる」
稲刈り後の腰痛について、このような言葉をよくお聞きします。若い頃は、それで乗り切れていたのかもしれません。
ただ、人の体力や筋力にはピークがあり、そこからは年々少しずつ低下していきます。同じ「いつもの稲刈り」でも、受け止める体は毎年少しずつ変わっているのです。
かばう動きが、積み重なっていく
もうひとつ知っておいていただきたいのは、痛みが消えた=治った、ではないということです。
痛みをかばいながら動くと、体は無意識に別の場所で補おうとします。これを代償動作(だいしょうどうさ=痛いところをかばうために、ほかの場所が肩代わりする動き)といいます。この代償動作が積み重なると、姿勢の歪みが少しずつエスカレートしていきます。
湿布を貼って様子を見る方も多いと思います。湿布で楽になる方もいらっしゃいますし、使うことが悪いわけではありません。ただ、「貼っても変わらない」という場合の考え方は、こちらの記事にまとめています。
▼ 湿布を貼っても変わらない腰痛|冷やす?温める?迷ったときの判断の目安
https://ishida-saijo.com/?p=7297

農機具と同じように、体にもメンテナンスを
コンバインやトラクターは、収穫が終わったら泥を落とし、点検や整備をしてから納屋にしまいますよね。
酷使した体も、農機具と一緒です。刈り終えた後こそ、メンテナンスと手当てが必要なのです。
50代・兼業農家の男性のお話
ここで、実際に当院に来られている方のお話をご紹介します。
50代の男性で、会社にお勤めをしながら米づくりを続けている兼業農家さんです。趣味は釣りだそうです。
「いつものことだろう」と、湿布で様子を見ていた
この方は、稲刈りの後に腰の痛みがありましたが、いつものことだろうと思って、湿布を貼って様子を見ていました。
ところが、冬になって状態が変わってきました。
- 朝、起き上がれない
- 起きたときの辛さがおさまるまでが長引き、お昼頃まで続くようになった
- 腰だけでなく、お尻や脚まで痛むようになってきた
来院されたときは、ぎっくり腰を思わせるような、体を動かすのが辛そうなご様子もありました。
2日続けて、そして間隔を空けながら
そのため、まずは2日続けて治療を行いました。
そこで4割ほど痛みが軽くなったため、3日空けて3回目の治療。その1週間後の4回目には、朝がずいぶん楽になったとのことでした。
そこからは、2週間、3週間、4週間と少しずつ間隔を空けていきました。現在も、1〜2か月に一度、治療に来られています。
「同じように腰痛をみとったらあかんねえ」
その方が、このように話してくださいました。
「歳のせいとは言いたくないけど、同じようにみとったらあかんねえ。腰を良くしてもらって助かりましたわ。これからは体を大切にしていきたいと思います。」
こういったご意見を頂いております。
※効果の感じ方には個人差があります。同じ経過をお約束するものではありません。
稲刈りの後の腰の痛みを「いつものこと」と見送っているうちに、冬になって、朝の起き上がりやお尻・脚の痛みとして表に出てきた。まさに、腰の重さを冬まで持ち越してしまったお話だと思います。
刈った後は「3日」を目安に判断してください
では、稲刈りの後、どのくらい様子を見ればいいのでしょうか。当院では、3日をひとつの目安にしています。
- 3日かけて痛みや重さが落ち着いていくようなら、そのまま様子を見ていただいて大丈夫です(体のメンテナンスはおすすめします)
- 3日たっても変わらない、もしくは悪化しているようなら、我慢せずご相談ください
当院で診ていると、1週間以上我慢された方は、かばう動きの延長で、坐骨神経痛など別のトラブルまで出てきている傾向があります。稲刈りの1週間後に「お尻あたりも痛くなってきて」と来院された兼業農家さんのお話は、こちらでご紹介しています。
▼ https://ishida-saijo.com/?p=7090
こういったときは、早めに病院へ
一般的には、次のようなサインがあるときは、腰以外に原因が隠れていることがあると言われています。
- 安静にしていても痛む、夜間に痛む
- 発熱を伴う
- 足やお尻のしびれが強い、力が入りにくい
- 排尿・排便に異常がある
ひとつでも当てはまるときは、様子を見ずに、できるだけ早く病院を受診してください。
入浴と、寝る前のお尻のストレッチ
稲刈りの後にご自分でできるケアとして、当院では入浴と、寝る前の軽いストレッチをおすすめしています。
シャワーで済ませず、湯船につかる
これからの季節は、朝晩がぐっと冷えてきます。疲れた日ほど、シャワーだけで済ませずに、湯船で体を温めてから休んでください。
寝る前に、お尻のストレッチ
湯船で体が温まったら、寝る前にお尻のストレッチをやさしく行います。重機の乗り降りの衝撃を受け止めてくれた、お尻の筋肉をゆるめてあげましょう。
- 椅子に座り、片方の足首を反対の膝の上にのせて「4の字」をつくります
- 背すじを伸ばしたまま、上半身をゆっくり前に倒します
- お尻の外側〜奥がじんわり伸びたところで、20秒キープ
- 反対側も同じように行います
反動はつけず、痛みの出ない範囲で行ってください。お尻のストレッチは、こちらの記事でさらに詳しくご紹介しています。
▼【右のお尻の付け根が痛い】本当のカギは”大殿筋”の硬さでした
https://ishida-saijo.com/?p=7017
すでに腰やお尻、脚に痛みが出ている方は、無理をせず、まずはご相談いただければと思います。
来年の稲刈りも、その先も続けていくために
田植えや稲刈りは、西条で米づくりを続けるあなたにとって、大切な一年の節目だと思います。そして、愛媛には「ひめの凛」「にこまる」といったブランド米があり、私たちの食卓を支えてくださっています。その大切な行事を、来年も、その先も続けていっていただきたい。美味しいお米を安心して食べさせていただきたい。これは私の願いでもあります。
そのためにも、刈り終えた今の腰の重さを、冬まで持ち越さないこと。お話をご紹介した男性のように、「同じように腰痛みとったらあかん」と気づいたときが、体を大切にし始めるタイミングなのかもしれません。
稲刈りが終わっても腰の重さが抜けない、朝の起き上がりがつらい、お尻や脚まで痛くなってきた。そういったときは、一度当院へご相談ください。当院でも、田植えや稲刈りに伴う腰痛に、専門的に対応しています。
来年の稲刈りの前には、夏にご紹介した4つの運動で、ぜひ準備をしてから臨んでください。
ご相談は、お電話・Web予約・LINEからお受けしています。




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