椅子から立ち上がった一歩目、足の指先にビリッと強烈な痛みが走る。お気に入りのヒールやパンプスを履くと、30分ほどで足先がジンジンしてくる。立って接客をしていると、足裏に小石を踏んでいるような違和感がある——。こういった感覚に、覚えはありませんか?
こんにちは。愛媛県西条市のいしだ鍼灸整骨院、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
今日は「モートン病」の足の痛みについて、痛みを和らげるために本当に大切なことをお話しします。

モートン病、診断されたあとに「放っておかれて」いませんか?
最近、モートン病や、それによく似た足の痛みでお困りの方から、ご相談を受けることが増えました。
その中で多いのが、「病院でモートン病と診断されたけれど、そのあとの治療やリハビリの案内がなかった」という声です。湿布と痛み止めを処方され、「歩き過ぎ・立ち過ぎに気をつけて」と言われるだけ。それで症状が良くなればいいのですが、一向に変わらず、納得できないまま過ごしている方が少なくありません。
一般的には、モートン病の治療というとステロイドの局所注射や、神経腫(しんけいしゅ)を取り除く手術が挙げられます。ですが、注射は強い痛みを伴うことがあり、手術もさまざまな事情で踏み切りにくいものです。「できれば手術ではなく、うまく付き合っていきたい」——そう願う方の気持ちは、とてもよく分かります。
通院3ヶ月の女性に起きた変化(実際の症例)
春先から通ってくださっている、40代後半の女性のお話です(ご本人の了承を得て、要点だけご紹介します)。実家の商店を手伝う、明るくハツラツとした看板娘さんです。
この方も、病院でモートン病と診断されたものの、湿布と痛み止め、動きの制限を言われるだけで改善せず、当院へ来られました。
初回は、次のような施術と指導を行いました。
- 足首や足部を中心に、全身を整える整体
- 腫れっぽさ(炎症に似た症状)には、NEUBOX(ニューボックス)という機器を使った微弱電流療法
- 神経腫に直接の刺激が届かないよう、手製のパッドを処方
- そして何より、立ち方(荷重のかけ方)と歩き方の意識点をお伝えしました
経過はこうです。
- 2回目——「足自体が軽くなって、異物感が少し減った」
- 3回目——異物感が半分以下に。歩き出しの鋭い痛みも随分和らいだ
- 4回目(3回目から2週間後)——初回の状態を総合的に10とするなら、3〜4くらいに
長時間(1時間ほど)歩くと症状に波がある、ということでパッドを調整したところ、症状もストレス感も大きく軽くなりました。「知人の結婚式でパンプスを履くのが心配だった」とご相談もありましたが、当日は特に気にするほどの問題はなかった、と喜んでくださいました。今は月に1度ほどのペースで通われています。
※体の変化には個人差があります。同じ施術・同じセルフケアで、どなたも同じ結果になるとは限りません。

やってはいけないセルフケア——「揉む・押す・振動」
ここで、ひとつ気をつけていただきたいことがあります。
今、世の中には「痛い部分やその周りを入念に指圧しましょう」「足の指や足裏をしっかりとストレッチしましょう」といったセルフケア情報があふれています。中には、マッサージガンや振動タイプのマッサージ機を、痛む場所に直接当てるようすすめるものまであります。
ですが、これらの多くは逆効果になりかねません。モートン病では、神経がとても過敏になっています。そこへ強い刺激を加えると、患部はますます敏感になり、かえって痛みが強くなってしまうのです。
イメージとしては、泣いてぐずっているお子さんを、無理にあやそうと揺さぶったり大声で言い聞かせたりすると、かえって火がついたように泣いてしまう——あの感じに近いかもしれません。過敏になった神経も同じで、強く触るほど暴れてしまいます。本来は、静かに見守ってあげる環境づくりが大切なのです。
そして、その“無意識の刺激”になっているのが、実は毎日の歩き方であるケースが多いのです。裏を返せば、いつもの動作の中にこそ、痛みを和らげるヒントがたくさん隠れています。
いちばんのカギは「歩き方」——今日からできる意識点
先ほどの女性にもお伝えした、歩き方・立ち方のポイントをご紹介します。
歩くときの意識
- お腹を引き上げ、みぞおちのあたりを持ち上げるように、重心を高くする。体幹が安定し、下半身の踏ん張りがやわらぎます
- 腕を振って歩く。推進力が生まれるので、下半身だけで歩くより足への負担が減ります
- 足音を鳴らさないように歩く。大きな足音は、地面と強くぶつかっていたり、足が地面についている時間が長いサイン。神経腫を衝撃や圧力で刺激していることになります
- 指先で地面を掻いて進もうとする意識があれば、控える
- 立ち上がりや歩き出しは、症状のない側から動き出す。ただし、残った側の足がつらい場合もあるので、そこは臨機応変に。とにかく「症状から逃げる・症状を感じさせない工夫」が大切です
- 振り返る動作のときも、痛む側が軸足にならないよう意識する
立つときの工夫
痛む側の足を「荷重足」にしないことがポイントです。荷重足とは、膝をピンと伸ばして片足で体を支え、その一本に体重を乗せきっている立ち方のこと(いわゆる“膝カックン”を食らいやすい側の立ち方です)。
また、長時間同じ姿勢で立ち続けないために、痛む側の足をちょっとした台の上に乗せておくなどして、反対の足に体重を乗せる時間をつくってあげましょう。
よくあるご質問(Q&A)
Q. マッサージガンは使っていいですか?
A. 痛む場所への直当ては、おすすめしません。前述のとおり、過敏になった神経へ強い振動を加えると、かえって症状が強くなってしまうことがあるためです。「刺激して治す」より「そっとしておく」が基本と考えてください。
Q. ヒールやパンプスはもう履けないのでしょうか?
A. 完全に諦める必要はありません。先ほどの女性も、結婚式のパンプスを問題なく履くことができました。ただ、足先に負担のかかる靴で長時間過ごすと症状が出やすいのは事実です。歩き方・立ち方の工夫や、負担を分散するパッドなどと合わせて、上手に付き合っていく形が現実的だと思います。
Q. 手術しないと治らないのでしょうか?
A. 一般的には注射や手術も選択肢に挙がりますが、いきなりそこへ進まなくても、保存的な方法でうまく付き合っていける方は多くいらっしゃいます。まずは体への負担が少ない方法から試してみる、という考え方もあります。
Q. どのくらいで楽になりますか?
A. 個人差があります。今回ご紹介した歩き方の工夫では、2〜3日で変化を感じる方もいらっしゃいます。ただし、感じ方には波もありますので、あくまで目安としてお考えください。

まずは5日、歩き方を変えてみてください
モートン病の痛みは、「揉む・押す」で頑張るより、日々の歩き方・立ち方を見直すことが、和らげるための近道になることが少なくありません。
今回ご紹介した歩き方や動作の注意点を守って、まずは日常生活を送ってみてください。早い方だと2〜3日で変化を感じられます。もし5日ほど試しても何の変化もない場合や、ある程度の変化から停滞しているなら、姿勢や全身の骨格、あるいは患部の近くに、別の原因が隠れていることもあります。そのときは、どうぞ西条市のいしだ鍼灸整骨院へご相談、またはご来院ください。ご予約は、お電話・Web予約からお受けしています。
あなたの一歩が、少しでも軽やかになりますよう願っています。


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