
「長く座っているとお尻が痛い」
「立ち上がろうとしたら股関節の付け根がズキッとする」
40〜50代の女性に多く見られるこうした痛み。
最初は「筋肉が疲れたのかな」と感じる程度でも、
次第に長時間の座位や立ち上がりの際に痛みを感じ、つらくなっていくことがあります。
その背景には、**股関節臼蓋不全(こかんせつきゅうがいふぜん)**と呼ばれる、
股関節の構造上の特徴が関係していることがあります。
股関節のトラブルは、将来的な不安を膨らませる要素となります。
「自分の足でこの先も歩き続けられるだろうか…」
「手術するとなると色々と面倒だし職場に迷惑がかかる」
そういった不安を少しでも和らげることができればと思い、今回のブログを書きました。
お手隙の際に、ぜひ最後までご覧ください。
股関節にかかる“力の偏り”とは?
こんにちは。
愛媛県西条市で「いしだ鍼灸整骨院」を開業しています、院長の石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
今回のブログは、股関節臼蓋不全に関連するトラブルについて書きました。
特にデスクワークをされている女性を中心に、
座っている時間が長いことでお尻や股関節周囲に痛みを感じている場合や、
またはその後の立ち上がり動作に不調があるようでしたら、
ブログで紹介しているセルフケアや、股関節に負担のかからない姿勢の取り方がお役に立てると思います。
ぜひご活用ください。
早速ですが、股関節のかみ合わせは、人によって少しずつ違いがあります。
その中でも、何らかの理由で臼蓋(きゅうがい:股関節のお皿側)と呼ばれる骨盤側のくぼみが
浅い状態になっていることを、股関節臼蓋不全と呼び、股関節が不安定な状態となっています。

特に膝同士が当たるような内股(うちまた)の姿勢をとることで、
太ももの骨の丸い部分(大腿骨頭)が臼蓋の外側上方へと必要以上に押し当てられ、
痛みに変わりやすい状態となります。

実は股関節には、「力が逃げにくい安定した場所」と「支えの少ない弱い部分」とがあります。
内股で座ると、「支えの少ない弱い部分」を大腿骨頭が刺激する構図ができあがるため、
ちょっとした座り方のクセで、弱い部分への刺激が続くことになってしまうのです。
つまりこれは、構造上の弱点に対して、膝が内側に入るような“内股(うちまた)で座る姿勢”になることで、
力が一方向(支えの少ない弱い部分」)に偏り、やがて痛みとして現れるということなんです。
最初は小さな違和感でも、毎日の積み重ねによって少しずつ刺激が蓄積し、
「長く座っているとお尻が痛い」「立ちあがろうとすると股関節が痛む」
そういった症状へとつながっていきます。
これが、座り仕事を続ける女性に多く見られるお尻や股関節の痛みの正体のひとつです。

座り仕事でお尻や股関節の前側に痛みが出る理由
デスクワークや事務作業など、長時間座り続ける生活では、
股関節まわりにわずかな圧力がかかり続けています。
また、女性の股関節は骨盤の形状や股関節の付き方に関係して、太ももが内側へ捻れやすいことが特徴です。
つまり「股関節の内旋位」が生じやすく、内股になりやすいことがわかっています。

このとき、大腿骨頭は臼蓋の浅い部分に押し込まれた状態となり、支えの少ない場所に体重が集中します。
こういった理由により、座っているだけでも股関節が押しつぶされているような状態が続いているのです。
さらに、
・殿部(お尻)の筋肉が硬くなって動きが鈍る
・骨盤底筋(骨盤の中の筋肉)が弱くなり、座っている姿勢を支える力が落ちる
・太ももの外側ばかりが緊張し、内ももやお尻の内側が働きにくい
こういった状態が重なると、股関節はより不安定になり、痛みが出やすくなります。
これらが合わさることで、
「椅子に座っているとお尻が痛くなる」「立ち上がると股関節の付け根がズキッとする」
といった訴えにつながります。

一般的なリハビリでは股関節臼蓋不全による痛みを改善しにくい理由
病院でのリハビリでは、「筋力をつける」「可動域を広げる」といった運動が中心になることが多いです。
しかし、臼蓋不全の方の場合、単に筋トレを行うだけでは、
かえって骨頭を臼蓋に押し込む力が強まってしまい、痛みが悪化するケースもあります。
また、筋肉を動かすための“神経の働き”が鈍っている場合、
いくら意識して動かしても、脳からの指令が筋肉にうまく届かず、思ったように支えられません。
痛みの原因が「筋力不足」だけでなく、「神経の働き方」や「姿勢のクセ」にもあるからこそ、
**神経と筋肉の再教育(リセットと再起動)**が欠かせないのです。
いしだ鍼灸整骨院が大切にしているアプローチ
当院では、形成不全という「股関節の形を変えること」はできませんが、
・股関節の弱点部に負荷や刺激を集中させない
・股関節の内旋(内股姿勢)を自然に防ぐ
・座っている時の股関節にかかる圧力を分散させる
上記の3点を目的とし、臼蓋不全によるお尻や股関節周囲のトラブルをサポートしていきます。
具体的には、
・微弱電流療法(NEUBOX)で神経の働きを回復し、動きづらい筋肉を再び使える状態に戻す
・殿筋群の促通リハビリで、お尻の筋肉を正しく働かせ、骨頭を正しい位置に支える
・骨盤と股関節の整体で、座位・立位それぞれのタイミングで「股関節のかみ合わせ」を安定化
・日常姿勢の再教育で、痛みを起こさない体の使い方を習慣化する
こうした施術と動作の再認識を組み合わせながら、
「押しつぶされる股関節」から「支えられる股関節」へと導いていきます。

座り仕事の方におすすめしたいセルフケア|股関節臼蓋不全でも諦めない
股関節臼蓋不全がある方にとって、無理のない姿勢や立ち方を身につけることは、
痛みを悪化させないための大切なポイントです。
ここからは、日常生活で意識できる簡単なセルフケアをご紹介します。
① 骨盤を立てて座る
背もたれに寄りかからず、坐骨で体を支えるように意識して座ります。
腰の後ろに薄いクッションを挟むと、自然に骨盤が立ち、股関節への圧が軽減されます。
長時間の座位が続く方は、30分〜1時間に一度、体を伸ばしてリセットする習慣をつけましょう。
② 1時間に1回は立ち上がる
実際のとこと、30分に1回でもいいと考えています。
同じ姿勢で座り続けると、関節への圧迫が続き、血流も滞ります。
1時間に一度は立ち上がって軽く歩くか、30分に一度その場で足踏みをしてください。
この“小さな動き”が、痛みの予防にはとても大切です。
③ 足先を軽く外向きに
デスク下で足先が内側(内股)に向くと、股関節にもねじれが生じ、痛みを誘発しやすくなります。
座るときは、足先をほんの少し外向きにしておくのがおすすめです。
それだけで股関節の位置が安定し、体重のかかり方が変わります。
④ 痛みのない脚に重心を移して立つ
立ち上がるときは、痛みのある側で無理に踏ん張らないことが大切です。
まず、痛みのない脚側に体重を預けるようにして重心を移動し、その脚を軸に立ち上がります。
このとき、「お尻の横で支える」感覚を意識すると、中殿筋が自然に働き、股関節が安定します。
もし両側の股関節に痛みがある、または臼蓋不全がある場合は、
ややガニ股(外股)気味の姿勢をとるのがおすすめです。
足を肩幅より少し広めに開き、「しこを踏む」ようなイメージで体を沈め、
腕の力も使って全身で立ち上がるようにすると、股関節への負担を減らしながら動作が行えます。
⑤ お尻まわりを温める
冷えは股関節周囲の血流を悪くし、痛みを強める原因になります。
特にデスクワーク中は下半身が冷えやすいので、
カイロやブランケットなどでお尻や太もものつけ根を温めるとよいでしょう。
股関節臼蓋不全の手術を避けたい方へ伝えたいこと
臼蓋不全があっても、すぐに手術が必要というわけではありません。
先述したように関節の形そのものを変えることはできなくても、
痛みを起こしている要因(姿勢・神経・筋機能)を改善していくことで、
症状を軽くし、進行を止めることは可能です。
「仕事を休めない」「手術は避けたい」「でもこの痛みをなんとかしたい」
そんな方にこそお力になりたいと私は考えています。
股関節臼蓋不全、お尻や股関節の痛みにお悩みであれば、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回のブログの内容を簡潔にまとめると、
・内股姿勢や長時間座位が、股関節の構造的弱点に負担をかける
・神経と筋の働きが低下すると、支えが効かなくなり痛みが悪化する
・当院では『神経再教育×関節の調整』で症状と関節への負担を軽減
・正しい座り方と立ち上がり方を身につけることが予防になる
こういったポイントを詳細に解説してきました。
当院では、「できるだけ手術を避けたい」「仕事を続けられる体をキープしたい」そういった想いに寄り添い、
股関節の構造と機能の両面からサポートしています。
もし、「このブログは私のことを言っているようだ」と思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。
きっとお役に立てることがありますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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(監修 柔道整復師・鍼灸師 石田将太郎)
