背中のファスナーやエプロンの紐に、手が届かない…
服を着替えるたびに、肩にズキッと痛みが走る…
リハビリや施術に通っているのに、思うように良くなっている気がしない…

そのようなお悩みはありませんか?
今回の記事では、五十肩(肩関節周囲炎)で「背中の後ろに手を持っていけない」という症状が良くなりにくい理由と、いまの通院で一度確認してほしいチェックポイント、自宅でできるセルフケアについて解説します。
お悩みの方の参考になりましたら幸いです。
改めまして、こんにちは。
愛媛県西条市で整骨院を営んでおります、いしだ鍼灸整骨院の院長、石田将太郎(いしだしょうたろう)です。
残暑の頃から、肩の痛みのご相談が増えてきます。
今年も、肩関節周囲炎や五十肩(四十肩)で他の治療所に通っていたけれど、思うような改善が見られないということで、当院にお越しになる方が続きました。
特に多いのが、「結帯(けったい)動作」といって、背中の後ろに手を持っていけないというお困りです。
①「背中に手が回らない」=結帯動作の制限とは?

結帯動作というのは、帯を結ぶときのように、腕を後ろに回して背中に手を持っていく動作のことです。
エプロンや服のファスナー、下着の着け外し、ズボンの後ろポケット。日常の何気ない場面で必要になる動きなので、ここが制限されると、家事や衣服の着脱のたびにつらい思いをすることになります。
一般的に、五十肩(肩関節周囲炎)は、肩の関節のまわりの組織に炎症が起きて、痛みと動きの制限が出る状態と言われています。
そして、この結帯動作は、五十肩の中でも特に回復に時間がかかりやすい動きなんですね。
②50代主婦の患者さんの実例|3ヶ月で生活に支障のないレベルへ
今回ご紹介するのは、昨年の9月に初診でお越しになった、50代の主婦の患者さんです。
左肩の痛みと動きの制限が半年以上続いていました。家事や衣服の着脱に支障があり、原因といえば、夏場に冷房で冷えたことぐらいしか心当たりがない。「冬になると冷えでさらに悪化しそう」という思いから、早く治したいと治療所や整体院を転々とされていました。
整形外科では「『肩関節周囲炎。いわゆる五十肩なのでリハビリに通いなさい』と言われて週に一度通っています」とのことでした。
当院では、初診から3回目までを3日間隔で治療しました。その時点で、
肩が軽い。石のような冷たい感覚だったのが、人肌に戻った感じ
と話されていました。
そこから2週間後の5回目の時点で、夜の寝返りで痛んで起きることがなくなりました。さらに、痛みを伴いながらも、自力で臍(おへそ)の裏の高さより上まで手を持っていけるようになったんですね。
その後は2〜3週間に一度の治療を続け、3ヶ月で生活に支障のないレベルまで回復されました。
全く症状も動作の制限もない、というレベルは難しくても、日常生活上の支障やストレスはなく、今では、
肩の治療のために行う全身の整体のおかげで体の調子がいい。月に一度治療をしていると気分も明るいので、毎月体を治しにきている
という状態です。
※症状の変化には個人差があります。
③なぜ良くなりにくい?|肩だけを見ていると届かない理由
この患者さんの治療の前の検査で、原因の当たりをつけていく段階で、「こんなふうに細かく調べてくれるところは今までになかった」というお声をいただきました。
ここに、良くなりにくい理由のヒントがあると思っています。
肩の痛みの施術では、肩甲骨に付着する「肩関節腱板(かたかんせつけんばん:ローテーター・カフ)」と呼ばれる筋肉のグループに、治療を集中しやすい傾向があります。
実は、私の修行時代の勤め先もそうでした。グループ院だったのですが、マニュアル的に、肩の後ろ側や肩甲骨のまわりへの施術が中心になりやすいんですね。
もちろん、ローテーター・カフはとても大切な場所です。
ただ、結帯動作には、肩関節の動きと肘の動きの連動が大切なんです。
そのため、肩と肘、二つの関節を跨いでいる「上腕二頭筋(力こぶの筋肉)」と「上腕三頭筋(二の腕の裏側の筋肉)」の治療を併用する必要があります(二つの関節を跨ぐ筋肉=二関節筋)。
肩だけを見ていると、この「肘との連動」に届かないまま、本当の原因や根本的な治療に踏み込めていないケースが多いんです。
しっかりとヒヤリングをして、細やかな検査をし、的確な治療で、最小限の負担で治療を進めていく方が、回復しやすい。これを知ってほしいと思っています。
④いまの通院を、一度チェックしてみてください
もしあなたが、いま整骨院や整体院などに通われているなら、責めるためではなく、確認のために、次のポイントを思い出してみてください。
- 肩だけでなく、腕(上腕)への施術や、それに関連する検査を受けているか
- 肘や手首まで含めた、総合的な検査があるか
- 頚椎や胸椎から出発して手先へと伸びていく、神経の働きの検査をしてから治療に進んでいるか
- 肩甲骨のまわりへの施術だけが、何ヶ月も続いていないか
- 「骨盤と背骨が歪んでいます」という説明で、誰にでも同じような〇〇矯正が併用されていないか
いま通われている場所を否定したいわけではありませんし、真剣に通ってこられたあなたの選択も間違いではありません。
ただ、当てはまるものが多く、数ヶ月通っても変化を感じられていないのであれば、いまの施術があなたの肩の本当の原因に届いていない可能性があります。
その場合には、一度立ち止まって、検査から丁寧に見直してくれる治療所を探すことも、回復への大切な選択肢だと思います。

⑤自宅でできるセルフケア3つ
ここからは、自宅でできるセルフケアをご紹介します。肩甲骨周囲のローテーター・カフの施術で改善がいまいち、といった場合には、効果を発揮する可能性があります。
1. 肘の「セルフ力相撲」
肘を直角よりやや広い角度(100°ぐらい)にセットします。反対の手で肘を伸ばすように負荷をかけながら、痛い側の肘は負けないように曲げていく。肘の「伸ばす」と「曲げる」のセルフ力相撲です。
フルパワーでなくても大丈夫で、力の均衡を感じるようにします。10秒間×5回を、1日に3〜5セット行ってください。
これは、相反抑制(そうはんよくせい)という体のメカニズムを使った方法です。反対の動きをする筋肉の関係(肘を曲げる:上腕二頭筋/肘を伸ばす:上腕三頭筋)をうまく利用して、上腕二頭筋の緊張を和らげていきます。
2. 肩先の皮膚スライド+ワイパー運動
肩の先端部の皮膚を、反対の手で外側へずらします。皮膚がピンと引っ張られている感覚でOKです。
そのまま、肩から肘までを一本の棒のように意識し、ワイパーのように内・外・内・外とリズムよくねじり動作を反復します。
30秒間×2セットを、1日に3〜5回行ってください。
3. 力こぶを持ち上げた状態で肘の屈伸
力こぶの部分(上腕二頭筋の筋腹)を軽く掴み、骨から筋肉を持ち上げる(引っ張り上げる)ようにしたまま、肘の屈伸運動をします。
30秒間×2セットを、1日に3〜5回行ってください。
引っ張り上げることで筋肉の間や骨との付着部に空間ができ、筋肉の収縮の滑走性が上がり、同時に血液やリンパの流れも促進されます。軽度の炎症や老廃物を排出していく作用も得られます。
まとめ|「五十肩だから仕方ない」で止まらないで
今回のまとめです。
- 結帯動作(背中に手を回す動き)には、肩関節と肘の動きの連動が大切。二関節筋である上腕二頭筋・上腕三頭筋へのアプローチが必要
- 肩や肩甲骨のまわりだけの施術が続いて変化を感じられていないなら、検査の内容を一度チェックしてみる
- セルフケアは「肘のセルフ力相撲」「肩先の皮膚スライド+ワイパー運動」「力こぶを持ち上げたままの肘の屈伸」の3つ
細やかな検査と的確な治療で、最小限の負担で進めていくことが、回復への近道だと考えています。
なお、当院の考え方については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
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セルフケアを試しても良くならない場合や、いまの通院に迷いがある場合には、一度当院へご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いしだ鍼灸整骨院 石田 将太郎



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